研究課題/領域番号 |
20K06831
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 長崎総合科学大学 (2021-2022) 京都大学 (2020) |
研究代表者 |
持田 浩治 長崎総合科学大学, 総合情報学部, 准教授 (60583474)
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研究分担者 |
高橋 宏司 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助教 (70723211)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 警告色 / 擬態 / 社会学習 / 恐怖学習 / 多様性 / 文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、捕食者の直接的な学習経験(個体学習)だけでなく、他者の行動をモデルとして観察する学習(社会学習)が、被食者の不味さや危険さと関連した目立つ体色(警告色)を創出・維持する、という社会学習モデルの妥当性を検証する。これにより、個体学習のみで、警告色の進化プロセスを説明する従来の個体学習モデルの3つの問題(①致死的な毒や危険さは試行錯誤できない、②捕食者の遅い学習速度、③類似しない警告色)が解消する。そのために、様々な分類群(魚類、両生類、爬虫類、ヒトを含む霊長類)を対象にした認知学習実験を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は,赤黒縞模様を生得的に忌避する認知傾向(恐怖情動バイアス)を利用して,ニホンザルが他者の行動を観察するだけで警告的学習ができることを明らかにした.こうした赤黒縞模様,もしくは赤色刺激を忌避する認知傾向は,霊長類や鳥類だけでなく,両生類や魚類においても存在することを明らかにした.赤色に対する恐怖情動バイアスは,両生類の非連合学習や魚類の連合学習も促進することを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトは赤色に対して恐怖情動を想起することが知られている.また,経験的に,赤色を恐怖や危険と関連した広告や信号として利用してきた.本研究は,こうした赤色に対する情動バイアスが両生類や魚類においても存在することを示唆し,ヒト心理特性の起源について重要な知見を投げかけた.また,このバイアスは,ヒトだけでなく,ヒト以外の霊長類から魚類において,恐怖や危険と関連する様々な学習を促進することを示唆した.
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