研究課題/領域番号 |
20K06834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊介 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (30431951)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | レトロトランスポゾン / iPS細胞 / ゲノム編集 / 転位因子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではヒト特異的転位因子がエンハンサー機能をもつことを示唆する予備データに基づき,ヒト特異的転位因子が脳の大きさやエネルギー代謝に関わる遺伝子群の発現調節を担うことを示し,さらにそれにより神経幹細胞の対称分裂,グリア細胞の乳酸放出,グルコース取込が促進されていることを明らかにしていきたい。本研究により人類の脳の進化におけるヒト特異的転位因子の貢献を,神経系細胞レベルで具体的に解明できることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト特異的レトロトランスポゾンであるSVA F1がCDK5RAP2, MCT1/SLC16A1, TBC1D5遺伝子の神経系細胞における発現調節を担っていることを明らかにするため、SVA F1を両アリルで欠失させたヒトiPS細胞を神経系細胞に分化誘導した際の、ホス ト遺伝子の発現動態を野生型と比較する計画であった。現在までの研究成果として、TBC1D5遺伝子座のSVA F1において両アリル欠失株、MCT1/SLC16A1遺伝子座のSVA F1においてヘテロ欠失株をCRISPR/Cas9によるゲノム編集を用いて作成することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人類の脳の進化を引き起こした遺伝的基盤については多くが未解明であるが,遺伝子の発現調節の変化が主要な貢献をしたと考えられている。近年,ゲノム中の転位因子がホストの遺伝子発現調節を担うシスエレメントとして利用されていることが示唆されているが,ヒト特異的転位因子による遺伝子発現調節が実際にヒトの神経系細胞のどのような性質に関わっているかはほとんどわかっていない。本研究で作成したSVA F1欠失iPS細胞株の解析から、ヒト特異的転位因子が新規ゲノム機能を担っており,それが脳機能にどう関わるかなど,これまでに報告がない重要な知見が得られる可能性があり,人類学や脳科学分野への学術的貢献が期待できる。
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