研究課題/領域番号 |
20K06839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45060:応用人類学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
李 相逸 北海道大学, 工学研究院, 助教 (70738880)
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研究分担者 |
李 スミン 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 助教 (90600429)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 明暗サイクル / 時間感覚 / 視覚 / 人間 / ヒト / 概日リズム / メラトニン / 光曝露 / 断続光 / 深部体温 / 光感度 / 室内光環境 / 光感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
現代人における様々な健康問題(睡眠問題、肥満、抑うつなど)の一因として夜型生活に伴う体内時計(生理的機能の日内変動:概日リズム)と社会的活動時間とのズレ(非同期化)が指摘されている.本研究では、夜型化した概日リズムの位相前進に役立つ新たな方法を提案することを目的としている.実験では、①朝に浴びる光が体内時計の位相を前進すること、②光を遮断することで網膜の光受容体の光感受性が回復する(光感度が高まる)ことに着目し、午前中の断続的光照射が概日リズムの位相前進や睡眠習慣に与える影響について検討する.本研究の成果より、ヒトの概日リズムを考慮した日中の室内光環境の設計に役立つことが期待される.
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研究実績の概要 |
今年度は、サブテーマとして「外界の明暗変化の視覚的情報がヒトの時間認知に与える影響」について研究を行った。健康な成人男女20名(22.5±1.2歳,男:女=9:11)を対象に、「映像なし(コントロール条件)」、「映像あり」、「映像遅延(日没の時間をずらした条件)」の3条件を設け、PC用ディスプレイを介してランダムに呈示した。実験は窓のない密室で実施し、実験中の照度は500 lx(目の高さで鉛直方向)で、相関色温度は5000Kに設定した。被験者によって推定された経過時間を条件間で比較した結果、日没の時間帯で統計的に有意な差が認められ、推定時間は「映像なし」と「映像あり」条件に比べて「映像遅延」条件で有意に短かった。しかし、「映像なし」と「映像あり」条件の推定時間の比較では統計的に有意な違いは認められなかった。この結果から、ヒトの時間感覚は外界の視覚的明暗変化に影響を受ける可能性が示唆された。また、被験者が日常の明暗変化に同調しており、その時間感覚が外界の明暗情報が分からない状況下でも現れた可能性が示唆された。 この成果は、2023年9月に開催された国内学会「日本睡眠学会第45回定期学術集会・第30回日本時間生物学会学術大会 合同大会」で報告し、「日本時間生物学会優秀演題賞」を受賞した。また、2023年9月に開催された国際会議「16th International Congress of Physiological Anthropology」で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行期間中はできるだけ被験者実験を控えたため、全体的な実験スケジュールが遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
メインテーマである「網膜の光感度の断続的な回復が概日リズムの光同調に及ぼす影響」の追加実験を行い、その成果を国内学会や国際会議で報告する。さらに、英文誌に論文を投稿する。
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