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足部疾患罹患者の歩行時における足部形状変形に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K06843
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分45060:応用人類学関連
研究機関岡山県立大学

研究代表者

齋藤 誠二  岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (70452795)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード足部形状変形 / 足部の痛み / 靴設計 / 歩行模擬姿勢 / 成人女性 / 足部疾患 / 歩行 / 足部形状 / 三次元足形計測装置 / 三次元動作分析装置 / 計測値再現性 / 歩行動作再現 / 動的足部形状 / 足部変形 / 靴
研究開始時の研究の概要

靴の着用によって足部に痛みを抱えている人は多く、特に外反母趾や偏平足といった足部変形を伴う疾患を有する人にとっては大きな問題となっている。その原因の1つは、靴づくりが静止立位状態の足型を基礎として行われており、動きによる足部変形が考慮されてないことにある。本研究は、足部疾患を有する人の運動中(歩行中)の足部変形特性を明らかにし、最適な靴形状の提案を目指すものである。具体的には足部疾患を有する人と健常足の人の足部の変位やひずみを動的かつ三次元的に捉え、それらを比較することで特性を見つけ出す。そのうえで、試作靴を用いた検証実験を行うことで最適な靴形状の提案を目指す。

研究実績の概要

本研究の目的は,運動中の足部がどのように変形するのかを明らかにし,靴の形やその変形具合との不適合で生じる圧迫による痛みを抑制できる最適な靴の形状を提案することである.当該年度は,前年度に完了した約300人の女性を対象とした歩行模擬動作中の足部形状の計測と足部における痛みの発生の程度とその部位の調査の結果を分析して学会において発表した.
足部の変形については,成人女性252名のデータから,内踏まず長,外踏まず長,足幅,中足幅は,踵挙上により短縮方向の変化量が大きくなることを示した.また,背骨高さ,アーチ高率,外反母趾角,内反小趾角においては踵挙上により拡大方向の変化量が大きくなることを示した.さらに,足幅の短縮は背骨高さが高い人ほど増加,アーチ高率は,内反小趾角が小さい人,またはアーチ高率が低い人ほど拡大,外反母趾角は,外反母趾角が大きい人ほど縮小方向の変化量が大きくなる傾向を示した.
足部における痛みの発生の程度とその部位の調査では,成人女性250名のデータから,痛みの発生頻度とその程度は,拇趾部,小趾部,踵部が他部位に比べて高いことが示された.さらに,足部変形と痛みの関連を検討したところ,立脚後期において,拇趾部に痛みがある者は外ふまず長および第一趾長の縮小方向の変化が小さいことが示された.また,甲部の痛みがある者は外反母趾角の縮小方向の変化が小さいことが示された.さらに,内果部と外果部の痛みがある者は背骨高さの拡大方向の変化が小さいことが示された.
これらの結果は,歩行中に足部はその部位および足部形状特性によって特有の変形を起こしていること,そして,その変形により痛みが発生していることを示唆している.この結果は,静止立位時の足部形状をもとにした既存の靴づくりの問題点を指摘するものであり,今後の靴設計において重要な知見となる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究期間を1年間延長したことで,約300人のデータ分析を終えて重要な知見を得ることができた.しかし,最終年度に予定していた靴への実装と評価については完了していない.研究期間を1年間延長することになったため,2024年度にこれらの研究を進めていく予定である.

今後の研究の推進方策

今後の研究のゴールは「足部疾患患者の足部の痛みを抑制するための最適な靴形状を確定する」ことである.そのため,これまで得られた知見を研究協力関係にある靴メーカーと共有して,プロトタイプを作成して,痛みの発生や圧迫力等を検討することで,最適な靴形状を提案する予定である.また,靴づくりのもとになり欠かすことができない木型(ラスト)設計における提案も予定している.

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 学会発表 (9件)

  • [学会発表] 足部疾患を有する女性の歩行模擬姿勢時の足部形状変形2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤誠二,入口舜太,石川静香,佐々木新介
    • 学会等名
      日本人間工学会第64回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 女性における靴着用時の足部における痛みの程度・部位と足部形態との関連2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤誠二,入口舜太,石川静香,佐々木新介
    • 学会等名
      日本人間工学会第64回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 成人女性における靴選びと足部トラブルの実態2023

    • 著者名/発表者名
      入口舜太,石川静香,佐々木新介,齋藤誠二
    • 学会等名
      日本人間工学会第64回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 成人女性における歩行中の足部形状特性に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      淺田裕司,入口舜太,石川静香,佐々木新介,齋藤誠二
    • 学会等名
      日本人間工学会第63回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 成人女性の歩行中の足部形状と足部の痛みの関係2022

    • 著者名/発表者名
      入口舜太,淺田裕司,石川静香,佐々木新介,齋藤誠二
    • 学会等名
      日本人間工学会第63回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 成人女性における歩行中の足部痛の発生状況調査2022

    • 著者名/発表者名
      入口舜太,淺田裕司,赤木暢浩,河村隼太,北田義弥,石川静香,佐々木新介,齋藤誠二
    • 学会等名
      第89回日本体力医学会中国四国地方会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 三次元足形計測装置を用いた歩行中の前足部形状の再現に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      淺田裕司,岡本光平,信畑卓哉,松永凌,齋藤誠二
    • 学会等名
      日本人間工学会第62回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 健常者と足部疾患を有するヒトの歩行中の足部形状に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      淺田裕司,岡本光平,信畑卓哉,松永凌,入口舜太,齋藤誠二
    • 学会等名
      第53回日本人間工学会中国・四国支部大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 三次元足形計測装置を用いた歩行中の前足 部形状の再現に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      浅田 裕司,岡本 光平,信畑 卓哉,松 永 凌,齋藤 誠二
    • 学会等名
      日本人間工学会 第62回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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