研究課題/領域番号 |
20K06850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
山崎 匡 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40392162)
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研究分担者 |
五十嵐 潤 国立研究開発法人理化学研究所, 情報システム本部, 上級研究員 (60452827)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 小脳 / マルチコンパートメント / シミュレーション / 樹状突起計算 / マルチコンパートメントモデル / 高性能計算 / ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞 (ニューロン) の複雑な形態は、それそのものが高度な情報処理機能を担っていることが示唆されている。単体でも十分複雑な形態を持つニューロンが多数接続したときに、ネットワークとしてどのような機能が実現されうるのか、また遺伝子疾患によって引き起こされる形態の変化によってその機能がどう変化するのかは未だ不明である。これらを実験的に解明するのは技術的に困難であるため、数理モデルを用いた数値シミュレーションが有効な手法である。本研究では、これまでに構築してきたニューロンの形態まで再現した小脳皮質回路モデルの大規模な数値シミュレーションを実施する。
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研究成果の概要 |
小脳の情報処理において、空間形状やイオンチャネルの分布のような単一ニューロンの詳細な構造が、回路全体の情報処理にどのような影響を与えるかを検討するために、顆粒細胞・ゴルジ細胞・プルキンエ細胞のマルチコンパートメントモデルを実装し、小脳皮質のネットワークモデルを構築した。シミュレーションの高速化のために陽解法を使用し、シーケンス刺激に対するプルキンエ細胞の応答や学習能力を検討した。さらに、プルキンエ細胞の樹状突起の縮退とそれに伴う小脳核ニューロンの発火パターンを調査し、運動失調の関連性を調査した。これらの成果は査読付論文と教科書にまとめられている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳の機能はニューロンのネットワークのダイナミクスとして生じるというのが一般的なコンセンサスであり、翻って個々のニューロンは単純な素子であると暗に仮定される場合がある。本研究は、その暗黙の仮定に反論するものであり、単一ニューロンであっても樹状突起とイオンチャネルの非線形性を巧みに利用することで、高度な情報処理が可能になることを示唆するものであり、その点で学術的意義がある。また、複雑なニューロンモデルのシミュレーションを高速に行うための数値計算手法を開発しており、シミュレーション研究の普及・発展に貢献するという意義もある。
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