研究課題/領域番号 |
20K06855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉村 武 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 講師 (60402567)
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研究分担者 |
臼井 紀好 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00784076)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経細胞 / 軸索起始部 / 細胞骨格 / Ankyrin-G / リン酸化 / 神経可塑性 |
研究開始時の研究の概要 |
脳は経験や加齢、病気などにより絶えず構造や機能が変化する。この性質は可塑性と呼ばれ、シナプス可塑性は長らく脚光を浴びてきた。軸索起始部(神経軸索の根元)は高度に特殊化された区画である。最近、新規の神経可塑性として軸索起始部の構造が可塑的であると報告された。この発表以降、軸索起始部は神経活動や病気などに応答して長さが変化することが明らかになりつつある。しかし、どのような分子機構で軸索起始部の長さが変化するのかは理解されていない。軸索起始部の長さが変化する際には軸索起始部に特有な細胞骨格が厳密に制御されていると考えられる。本研究では、軸索起始部に特有な細胞骨格を制御する分子機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
軸索起始部は可塑性を有しており、その骨格構造は変化する。本研究課題は軸索起始部に特有な細胞骨格を制御する分子機構を解き明かすことを目的とした。Cdk5が軸索起始部の細胞骨格分子ankyrin-Gをリン酸化することを見出し、そのリン酸化部位を同定した。また、注意欠如・多動症や自閉スペクトラム症様の行動を示すモデル動物の脳において軸索起始部の構造に変化が起きていることも見出した。Cdk5はankyrin-Gのリン酸化を介して軸索起始部特異的な細胞骨格構造の形成に重要な役割を果たしており、神経発達症様モデル動物においてそのリン酸化制御が破綻していると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果から、Cdk5はankyrin-Gのリン酸化を介して軸索起始部に特異的な細胞骨格構造の形成に重要な役割を果たしており、注意欠如・多動症や自閉スペクトラム症様モデル動物においてそのリン酸化制御が破綻していると考えられる。Ankyrin-G (ANK3)のヒト遺伝子変異により注意欠如・多動症や自閉スペクトラム症などが引き起こされることが報告されており、本研究は注意欠如・多動症や自閉スペクトラム症の病態解明の手がかりになることが期待される。
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