研究課題/領域番号 |
20K06857
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
沼川 忠広 熊本大学, 発生医学研究所, 特定事業研究員 (40425690)
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研究分担者 |
小高 陽樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (40831243)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ライソゾーム病 / ミクログリア / ニューロン / 相互作用 / 中枢神経系 / iPS細胞 / 中枢神経系の異常 / 神経細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
神経症状を呈するライソゾーム病のうち、特にGM1ガングリオシド、またはシアル化蛋白質がそれぞれ細胞内で蓄積するGM1ガングリオシドーシスおよびシアリドーシスにおける病態解明を、ニューロン・ミクログリア共培養系を用いて実施する。それぞれの疾患ニューロンおよび疾患ミクログリアが、健常細胞と比べていかなる病的表現型を呈するのか、(健常ニューロン+健常ミクログリア)、(健常ニューロン+疾患ミクログリア)、(疾患ニューロン+疾患ミクログリア)、(疾患ニューロン+健常ミクログリア)、の組み合わせを行い実施する。
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研究成果の概要 |
本研究では、GM1ガングリオシドーシスやシアリドーシスiPS細胞を用いて、ヒトニューロンおよびヒトミクログリアの共培養系を樹立した。これにより、ライソゾーム病病態において、ミクログリアの寄与を考慮した。共存培養では、ニューロンの開口放出が減少した。この働きは疾患ミクログリアで弱かった。カルシウム応答がシアリドーシスニューロンで亢進したが、これを健常ミクログリアは緩和した。健常ニューロンに対し、健常またはGM1ガングリオシドーシスミクログリアを添加した場合、疾患ミクログリアによるニューロン生存率低下が見られた。また、疾患ミクログリア共存によるグルタミン酸受容体NR2A発現低下を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希少疾患であり、重篤な神経症状を呈するライソゾーム病では、ヒトニューロンを用いた病態解析および治療法の開発が遅れている。しかも、これまで散見される研究では、ヒトニューロンのみに主眼をおいたものが主流である。そのため、本課題によって、健常と疾患ミクログリアがニューロンの機能や生存へ異なる作用を発揮することが示唆されたことは、今後のライソゾーム病研究に対し新しい指針を与えることになる。
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