研究課題/領域番号 |
20K06868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
眞田 佳門 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50431896)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大脳新皮質 / 神経細胞移動 / 細胞質ダイニン / AMP活性化キナーゼ / 神経前駆細胞 / セロトニン / DYRK1A / 中間前駆細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
脳の正常発生において、神経細胞を生み出す親細胞である神経前駆細胞の挙動は極めて重要である。神経前駆細胞は脳発生初期では自己複製してその数を増やし、その後、神経細胞を生み出すようになる。この自己複製や神経分化は脳発生時期に応じて緻密にコントロールされており、この2つの事象のバランスが乱れると、脳の発生異常が起こる。本研究では、セロトニンと呼ばれる分子に着目し、母親由来のセロトニンが、血流にのって胎児脳に到達し、その神経前駆細胞の細胞運命をコントロールしている可能性を検証する。本解析により、母親からの血流を介したシグナルの胎児の脳発生における重要性を世に示し、その分子実体を提示できる。
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研究成果の概要 |
脳の発生過程において、神経細胞は神経前駆細胞から誕生し、最終目的地に向かって移動する。しかしながら、これら一連のプロセスを調節する細胞外シグナルおよびその細胞内情報伝達経に関する知見は充分ではない。本研究では、様々な細胞外シグナルによって活性化されることが知られるAMP活性化キナーゼ(AMPK)が神経細胞移動に寄与することを示した。つまり、活性化AMPKは細胞質ダイニンを正に調節することによって、核の前方移動および神経細胞移動を促進する。本研究により、神経細胞移動の鍵分子であるダイニンの新たな調節機構を提示すると共に、細胞外シグナルと神経細胞移動を繋ぐインターフェースを明らかにできた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
秩序正しい神経細胞移動は脳発生に極めて重要であり、この過程が障害されると脳発生異常が起こる。神経細胞移動において、ダイナミックな細胞骨格の変化やモーター分子の制御は必要不可欠であるが、その制御機構には謎が多い。本研究成果は、世界に先駆けて微小管モーターである細胞質ダイニンの制御機構を明らかにしている。また従来、神経細胞移動を制御する細胞外環境因子およびその細胞内情報伝達機構は充分に理解されておらず、本研究成果は、神経細胞移動という複雑なシステムを理解する上で、細胞外環境の重要性およびそのインターフェースの分子機構を提示しており、当該分野の将来の研究展開に大きな影響を及ぼすと自負している。
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