研究課題/領域番号 |
20K06873
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
足澤 悦子 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教 (00446262)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クラスター型プロトカドヘリン / シナプス / 細胞系譜 / 大脳皮質 / 神経回路 / パッチクランプ |
研究開始時の研究の概要 |
脳における神経回路形成には出生前の発生プログラム、出生後の経験依存性の両方が関わることが知られている。私はマウス大脳皮質バレル野4層において、同一神経幹細胞由来の神経細胞間では高い双方向性結合が形成されることを明らかにし、個々の神経細胞間の結合性が発生プログラムにおける神経細胞系譜依存性(クローン性)を持つことを明らかにしてきた。更にこの発生プログラムによるクローン性神経細胞間での高い双方向性結合が、出生後の経験にも依存していることを新たに発見した。本研究課題では、生後の感覚入力が同一細胞系譜の神経細胞間結合特異的に影響を与える分子メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
脳における神経回路形成には出生前の発生プログラム、出生後の経験依存性の両方が関わることが知られている。本研究課題の目的は、生後の感覚遮断がクローン性神経細胞間特異的に双向性結合形成を阻害する分子メカニズムを明らかにすることである。本研究では、クローン性神経細胞間選択的にサイレントシナプスが形成されているかをパッチクランプダブルホールセル記録法により検証した。その結果、サイレントシナプスの頻度は低く、ほとんどのシナプスにAMPA受容体が発現している可能性が考えられた。また、freeze-fractureレプリカラベリング法により、cPcdhはシナプス後膜のPSD95と共局在することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大脳皮質に存在する個々の神経細胞は、同じ細胞系譜の神経細胞が特異的な神経回路を形成していることが明らかになってきている。本研究では、皮質体性感覚野第4層に存在する同一細胞系譜の神経細胞が高い双方向性結合をしていること、また、この結合性にクラスター型プロトカドヘリン(cPcdh)が関与していることを明らかにした。更に、cPcdhタンパク質がシナプスに存在すること、サイレントシナプス形成に関わることを明らかにすることに成功した。これらの結果は、個々の神経細胞の個性に関わるcPcdhタンパク質のシナプスでの役割を明らかにするものであり学術的意義が高いと考えている。
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