研究課題/領域番号 |
20K06877
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐々木 幸生 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 准教授 (10295511)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 横浜市 / 神経生物学 / 脆弱X症候群 / 自閉スペクトラム症 / 液-液相分離 / 光遺伝学 / RNA顆粒 / RNA結合タンパク質 / 液-液相分離 / 相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞の軸索の先端では、必要なタンパク質が即座に局所翻訳され、迅速なシナプス形成のための需要に応えている。RNA結合タンパク質 (RBP) の1つである脆弱X精神遅滞タンパク質 (FMRP) はプレシナプスに「シナプス顆粒」として集積し、翻訳を調節する可能性がある。RBPの多くは細胞フリーの系で相分離により凝集体を形成するが、シナプス顆粒がプレシナプスの内部で相分離により形成され、その結果、翻訳制御の場が生成し、シナプス形成が調節されるかは不明である。本研究により、シナプス顆粒による局所翻訳制御機構を明らかにし、プレシナプスの形成機構について新たな知見が得られることが期待される。
|
研究成果の概要 |
RNA結合タンパク質 (RBP) の1種である脆弱X精神遅滞タンパク質 (FMRP) が他のRBPと共に、神経軸索のプレシナプスにおいてRNA顆粒を形成し局所翻訳を制御することを示唆する知見を得た。さらに、FMRP欠損による局所翻訳上昇とシナプス小胞分泌増加が翻訳抑制活性を持つメトホルミンで抑制可能であることを示した。また、光遺伝学によりFMRP含有RNA顆粒の液-液相分離を時間空間的に制御する新手法を開発した。これを用いて、RNA顆粒形成のRNA顆粒形成によるシナプスの形態、機能の調節機構を明らかにする計画である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝性神経発達障害で最も頻度が高い脆弱X症候群(FXS)は、知的障害や自閉症の症状を示す。今回、FXSの原因遺伝子産物であるFMRPが、G3BP2などの他のRNA結合タンパク質と共にシナプスでRNA顆粒を形成し、局所翻訳を制御することでシナプス機能を調節すると示唆する結果を得た。最近G3BP2等の数個のRNA結合タンパク質において神経発達障害で変異が見られ、RNA顆粒形成に異常があることが報告された。従って、我々の研究成果は他の神経発達障害でも共通する可能性のある病態を示している。今後の研究進展により、RNA顆粒形成がどのように神経発達障害の病態に影響を及ぼすかが明らかになると期待される
|