研究課題/領域番号 |
20K06888
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
若林 朋子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (20530330)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / コラーゲン / 運動ニューロン / 神経発生 / 神経筋接合部 / 脳神経疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
膜結合型のコラーゲンである25型コラーゲン(ColXXV)は、胎生期の骨格筋に発現し、受容体PTPσ/δとの相互作用を介して運動ニューロン軸索の骨格筋内における伸長に必須の役割を果たすと考えられている。また近年、ColXXVは先天性の脳神経支配異常症(CCDD)の発症に関与する可能性も示された。本研究ではColXXVの神経軸索伸長の制御因子としての役割の実証と分子機構の解明ならびに、ColXXVの変異が脳神経発生異常を導くメカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー病の患者脳より発見された膜貫通型コラーゲンColXXVの生理的役割を解析した。ColXXVは胎生期には筋肉に一過性に発現し、骨格筋内部での運動ニューロン軸索の伸長に必須の役割を果たす。本研究では、ColXXVが軸索上のRPTPσ/δと結合することで、プロテオグリカンが関与する軸索伸長/抑制を制御する可能性を明らかにした。また、ヒトColXXVで見つかった先天性の脳神経発生異常を来す変異が、RPTPσ/δとの結合ならびに軸索伸長を障害することも示した。さらに、薬理学的な筋障害や筋ジストロフィーモデルにおいて、骨格筋の再生過程でColXXVが発現上昇することも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ColXXVは脳においてアルツハイマー病の病態形成に関与するのみならず、発生期には骨格筋で重要な役割を果たし、先天性の神経発生異常の原因ともなる。本研究は、現象論を根拠として長年存在が予想されてきた筋由来運動神経支配因子としてColXXVを同定し、そのメカニズムを明らかにした点で生物学的に意義がある。また、ColXXVを原因とする小児の疾患であるCCDDをモデルに、各種の運動ニューロン疾患の病態解明にもつながるものと期待され、社会的な意義のあるものである。
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