研究課題/領域番号 |
20K06890
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白崎 竜一 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (40423149)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経回路形成 / 軸索ガイダンス / 小脳 / プルキンエ細胞 / 小脳核ニューロン / 核内受容体 / ゲノム編集技術 / マウス / 子宮内電気穿孔法 / 遺伝子発現制御 / 標的認識 / 遺伝子発現 |
研究開始時の研究の概要 |
小脳のプルキンエ細胞が構築する神経回路は、運動制御や高次脳機構発現において重要な役割を担っている。しかしながら、プルキンエ細胞の軸索が構築する特異的な回路の形成過程については不明である。本研究課題ではまず、胎生期マウスのプルキンエ細胞を遺伝学的な手法により分化の初期から選択的に可視化し、その軸索挙動の詳細を個体レベルで解析することで、その軸索伸長過程を明らかにする。次に、プルキンエ細胞選択的に発現している核内受容体RORaが、プルキンエ細胞の軸索投射発達のどのような局面を制御しているのかを明らかにする。以上により、プルキンエ細胞の軸索投射発達を制御している分子機構の一端に迫る。
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研究成果の概要 |
小脳プルキンエ細胞に選択的な遺伝学的可視化技術により、プルキンエ細胞の軸索伸長の初期過程からその後のシナプス結合標的に至るまでの軸索伸長過程までを胎生期マウスにおいて明らかにした。プルキンエ細胞の軸索伸長期にプルキンエ細胞選択的に発現している核内受容体RORaについて、Staggerer型の機能阻害変異体を強制発現させた場合とCRISPR/Cas9によってRORa遺伝子をノックアウトさせた場合で軸索投射発達を解析したが、顕著な軸索ガイダンス異常は認められなかった。その原因の一つとして、同時期のプルキンエ細胞に発現していた核内受容体RORbによる機能補完の可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小脳のプルキンエ細胞が構築する神経回路の形成機構に関する研究は、これまでプルキンエ細胞の樹状突起発達に焦点をあてたものであり、プルキンエ細胞の軸索投射発達については、そのほとんどが不明であった。本研究により、プルキンエ細胞の軸索伸長の初期過程からその後の標的細胞である小脳核ニューロンへの軸索伸長過程の詳細が明らかとなった。また、神経発達障害である自閉症スペクトラム障害(ASD)の発症にプルキンエ細胞が構築する神経回路の形成異常が関与していることから、本研究の成果はASDなどの神経発達障害の病態解明を目指す研究分野の進展に対しても重要な貢献をすることが期待される。
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