研究課題/領域番号 |
20K06895
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小野 勝彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30152523)
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研究分担者 |
後藤 仁志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20462202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 転写因子 / 軸索ガイダンス / 神経回路形成 / オリゴデンドロサイト前駆細胞 / 第三脳室 / 脳室層融合 / 前交連 / Olig2 / 定量PCR / 軸索ガイダンス分子 / 上皮間葉転換 / L1-CAM / 蛍光抗体法 / 回路形成異常 / 正中交差 / 網膜視蓋投射 / Slit/Robo / ephrin/Eph / マイクロRNA / 前脳 |
研究開始時の研究の概要 |
Olig2による神経回路形成調節機構を明らかにすることを目的とする。Olig2欠損マウスの脳での神経回路形成異常を、軸索マーカーや、トレーサーを用いて形態学的に明らかにする。このマウスを用いた遺伝子発現の網羅的解析の結果をもとに、回路形成に重要な軸索ガイダンス分子とその発現調節機構を解析する。マイクロアレイおよびRNAseq解析で発現変化の可能性が示唆された軸索ガイダンス分子とマイクRNAの発現を、定量PCRとin situ hybridizationにより明らかにする。これらの解析を通してOlig2による発現調節・回路調節機構のみならず、マイクロRNAを介した調節機構にも注目して調べる。
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研究成果の概要 |
転写因子Olig2は、脊髄腹側部においてニューロンとグリア細胞の分化スイッチにかかわる転写調節因子として見出された。一方、脳領域においては、オリゴデンドロサイトの分化調節にくわえて、領域形成や神経回路形成の調節にかかわることが、申請者らによって示された。本研究では、さらに脳領域でのOlig2の機能を明らかにする目的で、Olig2欠損マウスを用いて調べた。その結果、Olig2欠損マウスでは、前交連の形成に異常が見られ、あわせて第三脳室壁の融合過程が遅れていることも示された。本研究の結果から、Olig2は脳室層融合や軸索伸長を調節する遺伝子を介して前交連の形成を調節していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
転写因子Olig2は細胞分化調節にかかわる遺伝子として同定され、詳細に解析されてきた。一方で、申請者らの一連の研究から、脳内の領域形成や神経回路形成にもかかわることが示されている。さらに今回の研究からは、マイクロアレイを用いたパスウェイ解析から上皮間葉転換にかかわる遺伝子の発現調節を行っている可能性が見いだされた。さらに形態学的解析からは、脳室層の融合や脳室系の形成にかかわることが新たに示された。新たなOlig2の機能が明らかにされ、脳の形成過程が明らかにされるとともに、Olig2の研究フィールドに新たなインパクトを与えることができた。
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