研究課題/領域番号 |
20K06897
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
原 芳伸 北里大学, 医学部, 講師 (40558467)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 神経細胞移動 / 細胞内小胞輸送 / 脳層形成 / 低分子量Gタンパク質 / Arf6 / サイトへジン2 / N-カドヘリン / リーリン / リーリンシグナル / ApoER2 / サイトへジン2 |
研究開始時の研究の概要 |
移動神経細胞は種々の膜分子を足やセンサーとして使い、それらを細胞内輸送で再配置しながら表層へ移動する。しかしながら、細胞内小胞輸送による個々の膜分子の時空間的な局在変化の制御機構は不明である。申請者は、移動神経細胞に発現し、小胞輸送を制御するArf6の活性化因子の機能阻害を行い、リーリン受容体ApoER2が細胞内に過剰蓄積し、移動が顕著に遅れることを見出した。本研究は、細胞内輸送経路による神経細胞移動の制御機構の解明を最終目的とし、Arf6シグナル経路の活性調節機構、ApoER2の細胞内輸送における役割、および他の積荷タンパク質の探索を通して新規Arf6-ApoER2経路の役割の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、細胞内輸送経路による神経細胞移動の制御機構の解明を最終目的として新規サイトへジン2-Arf6経路の役割に焦点を当て、サイトへジン2の①細胞内局在②活性化制御機構③積荷タンパク質の解析を行った。その結果、 サイトへジン2は移動神経細胞では細胞内小胞に局在すること、サイトへジン2-Arf6経路はリーリンシグナル経路により活性化されること、サイトへジン2の機能阻害はN-カドヘリンやリーリン受容体の細胞内貯留を増加させることを見出した。これらの結果から、サイトへジン2-Arf6経路は受容体の細胞内輸送を介してリーリンシグナル経路を制御する新たなシグナル経路であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、RabやRap1がN-カドヘリンの細胞膜発現の制御経路として同定され、細胞の運動性や方向性の調節因子として細胞内小胞輸送経路の重要性が明らかとなってきたが、細胞内小胞輸送がどのように調節されているかは不明だった。本研究では、移動神経細胞においてN-カドヘリンの細胞内輸送を制御するArf6経路に着目し、その活性化因子としてサイトへジン2を同定し、その活性がリーリンシグナル経路により調節されていることを明らかにした。さらにサイトへジン2-Arf6経路がリーリン受容体の細胞内輸送を制御していることを世界に先駆けて解明しつつある。
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