研究課題/領域番号 |
20K06899
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
宮下 俊雄 帝京大学, 医学部, 講師 (80415314)
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研究分担者 |
冨岡 良平 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (30415244)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 海馬 / 抑制性ニューロン / NetrinG1 / 膨大後部皮質 / 抑制性神経細胞 / 神経回路 / netrin-G1 |
研究開始時の研究の概要 |
齧歯類の海馬と膨大後部皮質は、空間学習に重要な脳領域である。海馬の興奮性神経回路を構成する細胞には、特定の場所情報を処理する細胞がある。一方で海馬の抑制性介在細胞には場所受容野を持つものはなく、場所情報を修飾する事で、空間認知やナビゲーションに役割を発揮すると考えられる。 我々は、海馬CA1から膨大後部皮質へと直接神経線維連絡を持つ抑制性神経細胞を発見した。本研究ではこの抑制性神経細胞が構築する神経回路を解剖学的に解明する。さらにこの抑制性細胞に特異的に発現する膜タンパク分子netrin-G1に着目し、その遺伝子破壊マウスを用いて抑制性神経回路の構築や機能発現におけるその機能の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
海馬CA1より膨大後部皮質へ投射し、この領野間の単シナプス神経回路を構築するGABA作動性ニューロンに着目し研究を行っている。 このGABA作動性ニューロンにはシナプス性膜タンパクをコードするNetrinG1が特異的に発現している。そこでGABA作動性ニューロン特異的にNetrinG1を欠損するトランスジェニックマウス系統(‘NetrinG1 flox/vGAT-cre)を用いてその軸索走行を検証する為に、海馬へCre依存的に蛍光タンパクを発現するAAVベクターを注入した。組織学的解析の結果NetrinG1の欠損により軸索走行に異常が起きることが確認できた。関連文献より、この軸索走行の異常には軸索伸展時の膨大後部皮質におけるマイクログリアの動態が影響を与えているのではないかと考え、マイクログリアのマーカーであるIba1に対する抗体染色を行い検証した。結果としては積極的にマイクログリアが関わるという結論を得ることはできなかった。実際には海馬GABA作動性ニューロンの軸索は割合として低くNetrinG1-マイクログリア連動が起きるとしても本欠損マウスでの検証は難しいと考えた。しかし本実験の遂行過程で膨大後部皮質の発達期における特徴的なマイクログリアの分布パターンを認めた、解剖学会にて発表した。 この軸索走行異常が引き起こす神経ネットワークの異常を明らかにするために、越シナプス的に感染するAAV1ベクター並びに越シナプス的に輸送されるWGA:mCherryをつかい、NetrinG1欠損マウスの海馬―膨大後部皮質間の後シナプス細胞の分布を検証している。 また、この投射型GABA作動性ニューロンの分子特性をスクリーニングし、リーリンや他のいくつかの分子がこの細胞に発現することが明らかとなった。本細胞の分子特性がだいぶ明らかになってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析が終わっていないものはあるが、実験はおおむね終わり新規の実験にも取り掛かっているため。
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今後の研究の推進方策 |
データ解析を行い、論文としてまとめる。
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