研究課題/領域番号 |
20K06901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
金子 律子 (大谷律子) 東洋大学, 生命科学部, 教授 (00161183)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 自閉症 / 雌雄差 / Crmp4欠損マウス / 超音波発声 / モデルマウス / モデル動物 / CRMP4欠損 / CRMP4変異 / 樹状突起伸長 / 動物モデル / CRMP4欠損マウス / ステロイド仮説 / 社会性 / 性ステロイド仮説 / CRMP4 / 性差 / 感覚行動異常 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、自閉症モデルマウス(Crmpe欠損マウス)から得た知見をもとに、自閉症の性差形成メカニズムとして提案されている「性ステロイド仮説」を検証することを目的とする。検証には、周生期に性ステロイドを投与したCrmp4欠損マウスと野生型マウス雌雄を用いる。検証項目としては、Crmp4欠損により明瞭な雌雄差や形態変化を観察した①社会性行動と感覚異常、および②樹状突起形成異常、の2点に絞って行う。
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研究成果の概要 |
ヒト自閉症に類似した「社会性の低下」と「感覚異常」を持ち、これらに雄優位の特徴を持つ自閉症モデルマウス(Collapsin mediator protein 4欠損(KO)マウス)を用いて、自閉症症状に雌雄差を生じるメカニズムについて、「性ステロイド仮説」を中心に検証を行った。まず自閉症表現型の早期検出法の検討を行った。母子間コミュニケーションの指標である超音波発声パターン解析により、生後1週間で野生型とKOマウスの雌雄差検出を可能にした。その後のステロイド暴露実験は個体差が激しく有意な影響を明らかにできなかったが、トランスクリプトーム解析により発現にKOマウスで雌雄差のある遺伝子を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉症には出現頻度や症状に性差が存在する。自閉症男児患者のwhole-exome sequencing 解析により、Crmp4遺伝子の1塩基置換のみを持つ事例を見出した。さらにCrmp4欠損(KO)マウスには雌雄差のある社会性行動の低下や感覚異常が現れること、KOや点変異により樹状突起形成が異常になることを報告した。今回は自閉症発症の早期検証に使える超音波発声パターン分類報告や、トランスクリプトーム解析による雌雄差形成候補遺伝子を報告した。KOマウスのこれらの知見は、自閉症発症や雌雄差形成メカニズムに繋がる重要な情報であり、自閉症研究や予防法開発にとって重要なものとして社会的意義が高い。
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