研究課題/領域番号 |
20K06913
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
伊丹 千晶 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90392430)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 臨界期 / STDP / シナプス可塑性 / カンナビノイド / 2-AG / 体性感覚野 / CB1R / 可塑性 / 発達期 / タタイミング依存性可塑性 / CB1受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
バレル皮質において、生後1-2週目にスパイクタイミング可塑性(STDP)が主導して過形成した視床皮質投射が、カンナビノイド(CB)依存性のSTDPより過形成が刈り込まれ、4層バレル内への収束することを示した。本研究では、未解決に残された①内因性CBの同定する。また、成熟動物では円柱状投射を示すが、②CB1R-KO動物にCB1R遺伝子強制発現により円柱状投射のレスキューができるか調べ、円柱状投射形成にCB1Rが関与するかを検討し、回路形成、臨界期可塑性にCBがどのように関与しているのか詳細に調べ、大脳皮質のカラム形成のメカニズムを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
円柱状構造は大脳皮質の基本構造であり、高等動物における情報処理の基盤であると考えられている。視床皮質投射の形成直後、カンナビノイド受容体(CB1R)は第4層(L4)軸索終末で機能し始めるが、これはL4軸索の柱状形成のタイミングと一致していた。また、2-AG合成の主要酵素であるジアシルグリセロールリパーゼαを遺伝的に欠損させたマウスでは、L4軸索の柱状構造が崩壊していた。CB1Rアゴニストを腹腔内に投与すると軸索の長さが短くなり、L4ニューロンのCB1Rをノックアウトすると軸索の柱状突起が障害された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、神経科学の主要な目標の一つである臨界期可塑性の詳細なメカニズムを解明し、脳が外界の環境に適応し学習能力を発揮できるようになる過程を明らかにするものである。臨界期可塑性の研究は、神経科学の重要なテーマであり、その重要性は増大している。成熟動物でも可塑性を復活させる試みが世界中で行われており、そのためには大脳皮質の可塑性メカニズムを理解し、臨界期可塑性を回復することが重要である。この研究は、発達障害や神経疾患の治療法開発に新たな道を開く可能性を持ち、脳の発達や学習支援にも新しいアプローチを提供することが期待される。
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