研究課題/領域番号 |
20K06916
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
上田 康雅 関西医科大学, 医学部, 講師 (60332954)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ストレス / 大脳基底核 / 意思決定 / 行動制御 / セロトニン / ドーパミン / 霊長類 / 情動 / 線条体 / 尾状核 / 運動制御 / 黒質 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトはストレスを感じると、普段は問題なくできることができなくなることがある。申請者は、動物の大脳基底核(尾状核)の神経活動を記録すると、意思決定の直前に動物の感じるストレス強度を反映する活動が記録された。この活動が弱いと不適切な意志決定が行われた、尾状核はストレスに抗して正しい意思決定するために重要な役割を担うことが示唆された。この神経核には、報酬や嫌悪の情報をコードしているドーパミンやセロトニンの入力があることが知られている。本研究計画では、ストレス存在下で、適切な意志決定をするために、これらの物質の大脳基底核への入力が果たす役割について明らかにしようとしている。
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研究成果の概要 |
強い情動ストレス存在下で、ヒトは不適切な行動選択を行うことがあることが知られているが、そのメカニズムについては明らかではない。報告者はこの不適切な行動選択が、ヒト以外の霊長類でも見られることを発見し、さらにこの不適切な行動選択は、適切な行動選択に関わると考えられている大脳基底核の情報処理プロセスが、強い情動ストレス情報が入力することで障害され引き起こされている可能性があることを、サルの尾状核の神経細胞の活動を記録することで明らかにした。加えて、ストレス存在下での正しい行動選択のために、尾状核の異なる神経回路(直接路と間接路)が、それぞれ回路特異的な役割を果たしていることを示唆することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は日々多くのストレスに耐えながら、自分、家族あるいはその他の目的のために正しい行動選択をしていかねばならない。しかし実際は多くの人が経験しているように、強いストレスを感じると、自分でも考えられないようなミスをしてしまうことがある。このことは、本人にとっても社会にとっても大きな損失となる。このミスの発生する神経メカニズムを明らかにすることで、適切な事故の予防策を開発することを目的としている。
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