研究課題/領域番号 |
20K06922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 (2023) 筑波大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
上田 壮志 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00599821)
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研究分担者 |
日野 英逸 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (10580079)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 睡眠 / イメージング / 機械学習 / 大脳皮質 / 電気生理 / 2光子イメージング / 脳状態 / グラフィカルモデリング / ニューロン / グラフィカルモデル |
研究開始時の研究の概要 |
脳機能の正常化に睡眠は必須である。しかし、睡眠中に脳で何が起こり、どのような現象によって睡眠の機能が発現するかは未解明である。本研究では、睡眠中のマウスから、多数の大脳皮質ニューロンの活動をカルシウムイメージングによって記録し、そのデータをグラフィカルモデルを用いて解析することで、睡眠時大脳皮質のネットワーク動態を明確にする。さらに、断眠実験、学習課題などを行い、そのネットワーク動態の変動や機能的意義を検証する。
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研究成果の概要 |
多様な機能的意義をもつ睡眠だが、その特殊な脳状態において、大脳皮質局所ネットワークがどのような機能的ネットワークを構成しているかは未解明であった。本研究では、2光子カルシムイメージングによる神経活動計測と機械学習による多変量時系列データ解析を融合することで、その複雑な様相に潜在する機能的構造の抽出を実現した。局所ネットワーク解析は、ノンレム睡眠で疎に、レム睡眠で密になった。この局所ネットワーク動態がシナプス伝達を変動させ、睡眠時特有の情報伝達様式への切り替えを促すと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では睡眠・覚醒に伴い大脳皮質局所ネットワークのダイナミクスを解明した。脳の状態に依存した内部ネットワークの切り替えの実態は未解明な部分が多かったが、神経生理学と機械学習の統合によって新しい側面を発見することができた。この発見は睡眠時特有の脳機能の解明に大きく貢献する。脳の状態に依存した内部での処理様式の変化は睡眠に限らない。その大きな異常は統合失調症などの精神疾患として表れる。本研究の開発した手法は脳が内部でどのような機能的ネットワークを構築するかを捉え、精神疾患の病態解明ひいては治療法開発にも貢献すると期待できる。
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