研究課題/領域番号 |
20K06927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
畑山 実 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (50443007)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ノルアドレナリン / Slitrk1 / 不安・抑うつ / 軸索誘導 / セマフォリンシグナル / シナプス膜タンパク質 / ミスセンス変異 / 青斑核 / ノルアドレナリン作動性神経 / 血中酸素飽和度 / 呼吸 / 縫線核 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、中枢神経系の発達過程でノルアドレナリン(NA)作動性神経の発達がどのように制御されるかを解明する。不安様行動を特徴とするSlitrk1欠損マウスで、幼獣の前頭前皮質でNA性神経線維の発達が早まることを発見した。そこでSlitrk1による神経線維の発達制御の分子機構を、遺伝子改変マウスとバイオセンサーを用いた分子薬理学的解析により、明らかにする。ヒトSLITRK1は強迫スペクトラム障害と遺伝学的関連を持つことが知られており、本研究の成果は神経発達障害の病態理解、及び治療法の開発に大きく貢献すると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究は、Slitrk1というタンパク質の機能に着目し、研究をおこなった。欠損マウスは不安・抑うつに関連した行動を示し、ヒト遺伝学から強迫性障害(OCD)との関連が指摘されている。本研究の成果の詳細はCommunications Biology誌および、Frontiers in molecular neuroscience誌へ報告した。報告では欠損マウスでは、ノルアドレナリン作動性神経の過剰発達と同時に前頭前皮質におけるノルアドレナリン含量が増加していることを発見し、そのメカニズムとして、青斑核の神経突起の伸展に関わるセマフォリン3aシグナルをコントロールする可能性がある点を指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、青斑核からのノルアドレナリン作動性神経の投射にSlitrk1が関与する事が明らかとなった。これまで中枢におけるノルアドレナリン作動性神経の軸索誘導に関する知見は少ない。また、セマフォリン3aのシグナル伝達にも関わっていることから、青斑核神経だけでなく、一般的な誘導分子として機能している可能性があり、今後の展開が期待される。一方で、Slitrk1欠損マウスは不安・抑うつに関わることから、これらの発症原因として幼若期のノルアドレナリンが関与することを示した意義は大きい。これまで、ストレスなどが原因となり得ることが指摘されているが、今後モデル動物としての利用も考えられる。
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