研究課題/領域番号 |
20K06929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
冨田 裕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (60276251)
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研究分担者 |
畝川 美悠紀 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (10548481)
伊澤 良兼 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90468471)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 光遺伝学 / 脳微小循環 / アストロサイト / ペリサイト / 脳微小塞栓 / オプトジェネティクス / Neurovascular unit / 脳虚血 / 神経科学 |
研究開始時の研究の概要 |
オプトジェネティクスを利用してNVUを構成する特定の細胞種にChR2を発現させたマウスを用い、レーザースペックル血流計や二光子顕微鏡を用いて特定の細胞種ごとに刺激した際の血管挙動の解析、薬理学的手法を組み合わせることによって各細胞の役割や微小血流調節に関わるメカニズムをin vivo で検証する。さらに、中大脳動脈閉塞術を施行した脳梗塞モデル、総頸動脈にマイクロコイルを装着することによる慢性低灌流モデルなどを組み合わせ、独自の微小脳血流定量解析法(KEIO-IS1、KEIO-IS2)を用いて、病態下での特定の細胞間相互作用による脳血流調節機序を詳細に明らかにし、将来の脳疾患治療へと結びつける。
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研究実績の概要 |
本研究では、特定の細胞種のみに光感受性膜蛋白チャネルロドプシン2 (ChR2)を発現した遺伝子改変マウスを用いて、Neurovascular unit (NVU)を構成するニューロン、アストロサイト、血管平滑筋、血管周皮細胞(ペリサイト)の脳微小循環調節における役割を解析した。アストロサイトのみを光刺激するとニューロンの場合と同様に強度依存的に血流増加反応を示し、血流増加領域は拡大した。アストロサイトあるいはニューロンの刺激による血管拡張反応は、脳表の軟膜動脈より実質内の穿通動脈の方が高い傾向が認められた。薬理学的手法による実験から、アストロサイトの血管拡張反応には代謝型グルタミン酸受容体、ギャップジャンクション、内向き整流性カリウムチャネル、NMDA型グルタミン酸受容体、ニューロンの血管拡張反応にはムスカリン性アセチルコリン受容体、電位性ナトリウムチャネル、プロスタグランジン生成、一酸化窒素合成、KCNMA1チャネルの関与が示され、アストロサイトとニューロンは異なる機序で血管口径調節を司ることが明らかになった。さらに、血管平滑筋とペリサイトにChR2を発現したマウスを用いた実験から、ペリサイト自身が血管収縮作用を持つことが明らかになり、光刺激による局所的な血管収縮によって微小血管レベルにおける一過性血流停止(マイクロビーズの一時停止、すなわち微小塞栓の形成)が静脈側で観察された。
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