研究課題/領域番号 |
20K06933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
知見 聡美 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (30396262)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 小脳 / 視床 / 神経活動 / パーキンソン病 / マカクサル / 運動制御 / 運動異常症 |
研究開始時の研究の概要 |
大脳基底核と小脳はどちらも、随意運動を行う上で非常に重要な役割を果たしており、変調を来すことによって運動が著しく障害されることが広く知られている。運動の指令は、大脳皮質の一次運動野、補足運動野、運動前野などの運動関連領野から脊髄に送られるが、大脳基底核と小脳もこれらの皮質領域から運動情報の入力を受け、情報処理を行ったあと、視床を介して大脳皮質に情報を戻すループ回路を形成することにより、これらの大脳皮質領域の活動調節に寄与している。本研究は、大脳基底核から視床への情報伝達と、小脳から視床への情報伝達が、随意運動を制御する上で果たす役割について明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
大脳基底核と小脳はどちらも、随意運動の発現と制御において重要な役割を果たす。パーキンソン病は大脳基底核疾患の1つであり、無動や振戦などの運動障害が起こる。パーキンソン病モデルサルの神経活動を調べたところ、大脳皮質-大脳基底核経路のうち「直接路」を介する情報伝達が減弱していた。この結果から、「直接路」を介する情報伝達は運動の開始に必須であり、この情報伝達の異常が無動を生じさせることが示唆された。一方、小脳の活動にも異常が生じていた。振戦が生じている際に小脳歯状核の神経活動を調べたところ、振戦に同期した周期的活動が観察され、小脳の神経活動が振戦に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病は人口千人あたり1人、60歳以上では百人あたり1人と有病率が高く、超高齢社会を迎えた日本においては大きな医療・社会問題となっている。パーキンソン病では、大脳皮質-大脳基底核路のうち「直接路」を介する情報伝達が減弱していることが、無動の症状発現に寄与し、情報伝達を回復させると症状が改善することを明らかにした。これらのことから、「直接路」を通る情報伝達を回復させることによって効果的にパーキンソン病を治療できると考えられ、より良い治療法の開発につながると考えられる。
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