研究課題/領域番号 |
20K06937
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
杉本 健士 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (60400264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ナザロフ環化 / 不斉触媒反応 / 光学活性ビフェノール / ホウ酸 / 2-aza-Cope転位 / Fischerインドール合成 / 不斉触媒 / シクロペンテノン |
研究開始時の研究の概要 |
ナザロフ環化反応は、その発見より半世紀以上が経過する現在でも活発に研究が進められ、基質制御による反応促進には端緒が見出されている。しかし、不斉反応には強力ではあるものの不安定で使いにくい酸試薬が用いられてきており、汎用性の面では課題が残されている。そこで本研究では、従来試薬の「使いにくさ」を払拭するナザロフ環化反応を樹立することを目的として、申請者が最近見出した温和な有機触媒を用いた方法を深化させることにしている。本研究を達成し温和かつ使いやすい反応を提供することで、薬理活性化合物の調製を容易にし、医薬品開発などの加速化に貢献できると期待される。
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研究成果の概要 |
ビフェノール軸に不斉を誘起する役割を担うリンカー上に複数の置換基を導入してコンフォメーションを安定化し、条件を精査した結果、研究開始当初に比べ、化学収率と立体選択性の格段の改善に成功した。ビフェノールに臭素原子を導入することで活性向上をもたらすことも成功したため、収率と高立体選択性を両立させるビフェノール設計に新たな指針を見出すことができた。 また、ビフェノール/ホウ酸触媒系の新たな用途として、種々の分子変換反応への適用を試みた結果、2-aza-Cope転位反応およびFischerインドール合成反応の触媒として機能することを見出した。それらの不斉反応への展開についても着手している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
独自に見出した新規ビフェノール/ホウ酸触媒系を発展させ、不斉反応へと展開することに成功し、未だ改善の余地を残すものの、良好な収率と良好な立体選択性にてナザロフ環化を進行させうる学術的に新規な不斉触媒系を見出すことができた。また、本触媒系は弱酸の組み合わせであるにもかかわらず、ナザロフ環化以外においても有用な強酸触媒系として機能することを確認できた。反応後には分液操作にてビフェノールを回収するとともに、廃水中には安全なホウ酸のみを排出する環境負荷の小さな手法であり、社会的要請に応えうる方法論を確立できたといえる。
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