研究課題/領域番号 |
20K06951
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
小林 健一 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (30639282)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 天然物合成 / 構造活性相関 / アルツハイマー病 / アミロイドβ凝集阻害剤 / BACE1阻害剤 / Talaramide A / Rubrobramide / Berkeleyamide D / Euvesperin A / Euvesperin B / L-755,807 / Aβ凝集阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでアルツハイマー病 (AD) 治療薬として、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬が広く臨床利用されてきたが、その効果は限定的であり、ADに対する根本的な治療効果は期待できない。ADの発症メカニズムとして、アミロイドベータ (Aβ) が脳内で凝集蓄積することでADを発症するとされるAβ仮説やオリゴマー仮説が支持されている。これらの仮説に基づき、Aβ凝集阻害剤やBACE1阻害剤の創薬研究が世界中で行われている。 本研究課題では、既存薬とは異なる作用機序を有する医薬品の開発を目的として、Aβ凝集阻害活性及びBACE1阻害活性を指標とした創薬研究を行う。
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研究成果の概要 |
1. アミロイドβ(Aβ)凝集阻害剤のリード探索を目指し、高度に官能基化されたγ-ラクタム含有天然物の合成研究を行い、talaramide A、rubrobramide、berkeleyamide D、euvesperin AとBの全合成に成功した。合成した天然物のうち、berkeleyamide DはAβ凝集阻害活性を示した。また、L-755,807の構造活性相関研究の結果、Aβ凝集阻害活性には疎水性炭素鎖と水溶性官能基の組み合わせが重要であることを明らかにした。 2. 尿素骨格を含むBACE1阻害活性化合物をシード化合物として誘導体合成を行い、高活性なN,N-ジブチルアミド誘導体を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1. talaramide A、rubrobramide、及び、euvesperin AとBの合成については初のエナンチオ選択的な合成例であり、学術的なインパクトは非常に大きい。また、スピロ構造のberkeleyamide DがAβ凝集阻害活性を示したことや、L-755,807の構造活性相関研究からファーマコフォアを解明できたことは、天然物をリードとしたAβ凝集阻害剤の開発における重要な知見である。 2. 尿素骨格を含む高活性なBACE1阻害剤の創製に成功し、マウスを用いた活性評価においてもある程度の効果を確認できたため、アルツハイマー病治療薬の開発に繋がる成果と期待される。
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