研究課題/領域番号 |
20K06962
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾谷 優子 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (60451853)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 非天然アミノ酸 / ヘリックス / タンパク質ータンパク質相互作用 / ペプチド / 膜透過性 / 光反応性保護基 / 立体構造 / アミド異性化 / 環境応答性保護基 / 環状ペプチド / 刺激応答性 / ヘリックス分子 / p53-MDM2相互作用 / コンホメーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、天然にない規則構造(ヘリックス・ターン構造など)を誘起する非天然アミノ酸を開発し、タンパク質-タンパク質相互作用(PPI)阻害物質、または特定のタンパク質に相互作用するペプチドミミックとして応用可能な構造基盤を創製することを目的とする。(1)細胞のガン化に関係するPPIであるp53-MDM2相互作用阻害活性を持つペプチドミミックの創製を行う。(2)環境応答的にコンホメーションを変化させるペプチドを創製する。(3)各種二環性骨格を持つアミノ酸を系統的に合成し、環状ペプチドに導入してコンホメーション制御能を調査する。これらをタンパク質ータンパク質相互作用阻害物質に応用する。
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研究成果の概要 |
本研究では、剛直な骨格を持つ人工アミノ酸Abhのペプチドをヘリックス模倣体として用い、p53-MDM2/MDMXタンパク質-タンパク質相互作用を阻害する分子を創製した。また、光照射などの刺激依存的に立体構造を変化させる剛直な人工アミノ酸を開発し、これを環状ペプチドに組み込むことでペプチド全体の構造を光照射により制御することに成功した。また、天然のアミノ酸ペプチドの膜透過性を向上させるため、アミド結合の窒素上に光や酵素反応により脱保護可能な保護基をつけて膜透過性を改善する手法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、一般的に細胞や生体への応用が難しいとされているペプチドの弱点を人工アミノ酸によって克服することを目指す研究であり、創薬分野やケミカルバイオロジー分野に重要な意義がある。剛直な構造を持つ人工アミノ酸が、生体内ペプチドよりもかなり少ない残基数で阻害活性を持つことから、立体構造を制御したペプチド模倣体による創薬への応用が期待できる。さらに、そのままでは膜透過性が低い天然アミノ酸のペプチドのアミド窒素上に保護基を持つペプチド誘導体を開発した。保護ペプチドが細胞内に入った後で刺激・環境応答的に脱保護され、元のペプチドを再生することが可能である。
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