研究課題/領域番号 |
20K06967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
上田 篤志 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (10732315)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ジ置換アミノ酸 / ペプチド / 有機分子触媒 / 薬学 / 有機化学 / 側鎖環化 |
研究開始時の研究の概要 |
複数のアミノ酸が連なってできるペプチドが機能を示すためにはその三次元構造を一定の構造に制御する必要がある。その手法の一つとして、ペプチドの側鎖を環化して安定化する方法が用いられている。とりわけ炭素結合で環を作るハイドロカーボンステープルは化学的安定性にも優れているが、環化の際にできる二重結合の異性体が混合物として得られる問題点があった。本研究では新規に合成したアミノ酸を環化の土台として使用することで、二重結合部分の立体選択的な側鎖環化法を開発し、純度の高いペプチドを得る手法を創出する。
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研究成果の概要 |
4-アリルオキシ-L-プロリンと種々のアミノ酸やペプチドを縮合させ、閉環メタセシス反応することで基質制御によるEおよびZ選択的なペプチド側鎖環化を達成した。また5員環状のジ置換アミノ酸の側鎖にアリル基を導入したものを用いて、ペプチド側鎖上でのE選択的架橋形成反応を試みた。その結果、一般的に用いられる鎖状のジ置換アミノ酸を用いた場合では、α位の立体化学がいずれの場合であっても約2:1の低い選択性しか得られなかった一方で、5員環状ジ置換アミノ酸を用いた場合で>20:1の高いE選択性を得ることに成功した。また不斉エポキシ化における有機分子触媒としても機能し、最高99%eeの選択性で目的物を与えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペプチドは生体内でも重要な役割を担うため、その物性と機能の解明は重要である。しかし、既存のペプチド側鎖上での閉環メタセシス反応はE/Z混合物を与えていた。今回人工のアミノ酸を組み込むことで、EまたはZ選択性を発現させることに成功できた。またそのペプチドのX線結晶構造はα-ヘリックスを示しており、生体内でペプチドの作用点の多くがα-ヘリックスを形成していることから、今後の展開が期待される。
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