研究課題/領域番号 |
20K06969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
小郷 尚久 静岡県立大学, 薬学研究院, 講師 (20501307)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 抗体薬物複合体 / 抗がん / in silico / 構造活性相関 / システイン誘導体 / KSP / Trastuzumab / プロドラッグ / リンカーペイロード / 酵素切断リンカー / 細胞増殖阻害 / cleavableリンカー / non-cleavableリンカー / ADC / ライブラリー |
研究開始時の研究の概要 |
抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate, ADC)は次世代の抗体医薬として期待されているが、現存のADCに搭載されている薬物の多くはその標的が微小管やDNAに限られている。申請者はこれまでキネシンモータータンパク質KSP阻害システイン誘導体の構造最適化研究により、既に臨床応用されている微小管薬と同等以上の活性を持ち、がん細胞選択的に殺細胞活性を示すプロドラッグ化に成功している。そこで本化合物をペイロードとして様々なリンカーを導入したリンカーペイロードライブラリーを構築し、その複合化を検討することにより多様な抗体に適応可能な新たなリンカーペイロードの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
KSP阻害システイン誘導体を基にin silicoを活用し更なる高活性化に成功し、リンカーペイロード合成ではアミノ基、カルボキシ基を起点に様々なリンカー導入したライブラリーを構築した。1bのPEGリンカー導入体LP-1bと抗HER2抗体trastuzumabの複合体を合成し、SKOV3細胞評価により、trastuzumabと比べ有意な増殖阻害活性を確認できた。カテプシンB切断ペプチドリンカー導入検討では、誘導体のわずかな構造の違いが切断反応に影響することを見出した。以上、本誘導体はADC開発における新たなペイロードとして有望であることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
KSP阻害システイン誘導体を有するリンカーペイロードライブラリー構築と抗体との複合化、ADCとしての生物活性評価により、現在開発中のADCを含め抗体に結合させる低分子化合物(ペイロード)に新規作用機序を持つペイロード開発の可能性拡大が示された。また本研究成果から、KSP阻害剤を臨床応用するための学術的な裏付けとなる基礎研究の前進に貢献することができた。
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