研究課題/領域番号 |
20K06972
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
太田 公規 昭和大学, 薬学部, 准教授 (90347906)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | ホウ素クラスター / ホウ酸エステル / 加齢性疾患 / ラジカル捕捉作用 / エストロゲン受容体 / 化合物ライブラリー / ランダムスクリーニング / ホウ素化合物 / 革新的創薬 / カルボラン / 抗酸化作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまでに見出したホウ素クラスター含有医薬候補化合物の質的改善を目的とした持続的イノベーションと、ホウ素の特徴に基づいた画期的新薬の開発へ向けた破壊的イノベーションの両面から、日本が直面する超高齢化社会を支援する医薬化合物の創出を目指す。それと同時に、合成したホウ素化合物のライブラリーを構築し、ホウ素の基礎研究から創薬まで幅広く利用できる多目的ライブラリーのスクリーニングを進め、創薬における新たな方法論を提出する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、ホウ素の物理化学的特徴に焦点をあてながら、加齢性疾患を標的とした革新的新薬の創出を目指している。そして、これまで本研究者が遂行してきたホウ素クラスターを基盤とした持続的な創薬イノベーション、ホウ素の性質を利用した従来にはないメカニズムの医薬化合物創出やホウ素の新たな性質を見いだし、それを創薬へ応用する破壊的創薬イノベーションを研究の柱としている。現在の日本における超高齢化社会では、加齢に伴うタンパク質の変性に起因する難治性の疾患が多くを占めており、変性タンパク質の再生抑制や除去による疾患の制御が日本の長寿社会を支援すると考えられる。そこで、タンパク質を変性させる原因と考えられている生体内における酸化反応の持続的制御や、原因タンパク質の直接的分解を促す低分子化合物の創製を目指した。 本研究者が構築したホウ素化合物ライブラリーから見出したラジカル捕捉化合物をリードとして、様々な誘導体を合成した。現在、それらのラジカル捕捉活性を精査している。また、リード化合物自体のラジカル捕捉メカニズムが明らかではないので、分光分析および誘導体化からラジカル捕捉メカニズムの探索を進めた。しかしながら、明確なメカニズムを決められるデータを得るまでには至っていない。 持続的創薬イノベーションでは、昨年度に論文として発表した抗エストロゲン化合物をホウ酸エステル化することで、癌細胞内で産生された活性酸素で活性代謝物に変化する次世代抗エストロゲンの創製を進めた。少量のBis-ホウ酸エステルを得ることに成功し、現在、生物活性評価用のサンプルを合成中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究内容の関係で手技手法が多岐にわたるが、研究方法や時間の使い方を工夫し、概ね計画通り進めることができている。
|
今後の研究の推進方策 |
ホウ素クラスターのラジカル捕捉作用については、分光分析からのメカニズムの特定は難しいと考えられたので、誘導体による構造活性相関の精査や既存のラジカル捕捉化合物を共存させた状況下での評価を進める。ラジカル捕捉作用を示すホウ素化合物については学会発表ならびに論文発表をしていないので、令和5年度中に公表への目途を付ける。 ホウ酸エステル化合物の活性酸素による活性化は、抗エストロゲンのみならず、これまでに見出した抗腫瘍化合物に適応する。
|