研究課題/領域番号 |
20K06984
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
|
研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
佐藤 勝彦 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (80400266)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 薬物モニタリング / フェニルボロン酸 / ニトロキシルラジカル / ナノポア / イオン電流 / TDM / バンコマイシン / 電気化学センサー |
研究開始時の研究の概要 |
先端径がナノメートルサイズのナノポアピペットに有機機能性分子を化学修飾することで薬剤のセンシングを行う。国内外でナノポアを利用したセンシングに関する研究が行われているが、分子認識素子には抗体や酵素およびチャネルタンパク質などの生体試料が利用されており機能性を持つ有機分子に着目した研究は少ない。ナノポア計測において、どの機能性分子や修飾界面と薬剤が結合および化学反応することで、どのようなイオン電流変化が起こるかを明らかにし、個々の薬剤に対して最適な検出システムの基礎を確立することを目的に実験を行う。
|
研究成果の概要 |
この研究では、ナノメートルサイズのナノポアピペットに化学修飾を施し、イオン電流変化を指標とした薬剤センシングシステムの確立を目指した。イオン電流計測により、リアルタイムかつ高感度に生体試料中の薬剤を定量することが可能となる。分子認識機構として、電解質多層膜、フェニルボロン酸およびニトロキシルラジカル誘導体を検討し、特にバンコマイシンでは、0.01-1 mMの範囲で濃度依存的なイオン電流応答が確認された。さらに、ナノポア先端に合成高分子を修飾し、pHセンサーおよび酵素センサーとしての応用も検討した。しかし、得られたシグナルの再現性に課題があり、微小空間への修飾操作が困難であることが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
治療効果の最大化、副作用の回避、個別化医療の実現、薬物相互作用の管理などのために薬物モニタリングが行われる。一般的に薬剤類の血中濃度はELISA法やLC/MSで測定されるが、これらの手法は高コストであり、複雑な前処理・操作を必要とする。一方、電気化学計測は簡便な手法であり、特にイオン電流計測は、様々な薬剤に対するプローブを安価に作製できる可能性があり、微小化や簡便なリアルタイム計測が可能である。このイオン電流変化を指標としたセンシングシステムを確立できれば、医療の現場での効率的な薬物モニタリングが行が実現する。
|