研究課題/領域番号 |
20K06992
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
伊納 義和 愛知学院大学, 薬学部, 准教授 (90434547)
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研究分担者 |
大井 義明 愛知学院大学, 薬学部, 准教授 (50334735)
古野 忠秀 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (80254308)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 正電荷リポソーム / 細胞接着装置 / リポソーム / 微小管 / インテグリン / 表面電荷 / 接着分子 / 接着シグナル / アレルギー / 肥満細胞 / 細胞接着 |
研究開始時の研究の概要 |
脂質二重膜からなるリポソームは、これまで核酸やタンパク質の標的部位への運び屋として注目されてきた。申請者はリポソーム自身が微小管の安定性を抑制し細胞内顆粒の細胞膜への移行を抑制すること、リポソームの組成により微小管の安定性が大きく異なり、それに伴う細胞内顆粒の細胞膜への移行を制御できることを明らかにした。微小管は細胞接着装置において重要な役割を担っているため、リポソームを戦略的に適用することで、細胞接着装置を制御できると考えた。そこで本申請研究では、リポソームの組成を変えて細胞接着が要因となる疾患に対する各細胞の接着装置を自在に制御し、リポソームによる画期的治療法につなげることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、正電荷リポソームが細胞接着装置に及ぼす影響を検討してきた。その結果、肥満細胞においては、肥満細胞のインテグリンを介した接着シグナルを抑制していることを明らかにした。 またリポソームのサイズと表面電荷が肥満細胞の細胞接着装置の活性化抑制に及ぼす影響について検討した。その結果、リポソームのサイズではなく、表面電荷がマスト細胞の活性化を抑制する役割を果たしていることを明らかにした。さらに、正電荷リポソームの構成する脂質の種類による影響を検討したところ、構成脂質の種類に依存することなく、表面電荷が肥満細胞の活性化抑制に影響を及ぼしていることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで核酸や蛋白質の標的部位への運び屋として注目されてきた正電荷リポソームが細胞接着装置に及ぼす影響を検討してきた。その結果、肥満細胞においては細胞接着装置の活性化を抑制することを明らかにした。 今後は、さまざまな細胞に対し、最適な物性を有するリポソームを作製し、その効果を明らかにすることで、細胞接着装置の異常が引き起こす疾患に対する治療法となり得ると考えられる。また、リガンド等の修飾による目的細胞への標的化や、リポソームへの治療用遺伝子・タンパク質の付与により、さらに効果的な治療効果が得られる可能性が高く、画期的な治療法となることが期待される。
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