研究課題/領域番号 |
20K06995
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
山崎 啓之 崇城大学, 薬学部, 教授 (30435143)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ドラッグデリバリーシステム / アルブミン / ナノ粒子 / 抗がん剤治療 / ドラッグデリバリー / 細網内皮系回避 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、がん組織にナノ粒子が集積しやすいという特性を利用し、抗がん剤を封入したナノ粒子製剤が開発されている。しかし、ナノ粒子製剤の開発段階では、静脈内に投与したナノ粒子が肝臓や脾臓などの細網内皮系でマクロファージ等に捕捉され、標的とする病巣部位に薬物を十分に送達できないことがしばしば問題となっている。本研究では、まず、血漿タンパク質であるアルブミンによるナノ粒子表面の被覆が、細網内皮系による捕捉の回避(ステルス化)に有用であることを細胞実験で推定する。さらに、このステルス化が、がん組織へのナノ粒子の集積性の向上と高い抗腫瘍効果につながることを動物実験で検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、アルブミンによるナノ粒子表面の被覆状態の違いが、細網内皮系による捕捉の回避(ステルス化)ならびに抗腫瘍効果にどのように影響するかを検討した。その結果、アルブミンによる被覆率の高いナノ粒子は細網内皮系による捕捉を回避でき、このステルス化によりがん組織へのナノ粒子の集積性ならびにがん増殖抑制効果が向上することが明らかになったことから、このナノ粒子を用いた効果的かつ安全な抗がん剤治療が可能になると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究でナノ粒子のステルス化に必要なアルブミンによる被覆条件が明確になったことから、このナノ粒子を用いた効果的かつ安全な抗がん剤治療が可能になると考えられる。また、アルブミンによる被覆は、今回検討したナノ粒子以外にも、リポソームや高分子ミセル等、他のナノ粒子への応用も期待できる。さらに、本ナノ粒子に蛍光物質、光増感剤や磁性物質などを封入することで、薬物治療のみならず、がん病巣のイメージング、光線力学療法や温熱療法等にも応用でき、がんの治療・診断の幅を格段に広げることができると考えられる。
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