研究課題/領域番号 |
20K07002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
深水 啓朗 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (20366628)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ラマン分光法 / 製剤化工程 / 結晶多形 / プロセス分析 / 低波数ラマン / 結晶構造 / 配向 / 異方性 / 低波数ラマンスペクトル / コクリスタル / 製剤化 / 工程モニタリング / 品質管理 |
研究開始時の研究の概要 |
ラマン分光法は医薬品製剤の新たな品質管理手法として応用が期待されている.その中でも低波数領域のラマンスペクトルは結晶構造の特徴を鋭敏に反映し,結晶多形に関して粉末X線回折と同等の識別能を有している.本研究では代表的な原薬の単結晶を調製し,各試料面の粉末X線回折ならびに低波数ラマン測定から両者に共通の特異的なピークを探索し,低波数領域で未解明の散乱ピークについて帰属を試みる.また,新規な粒子設計技術として注目されている医薬品コクリスタルの球形晶析について,プローブ型の検出器を用いて反応過程をモニタリングし,ピークの帰属情報を活用することにより,生成機構の解明について検討する.
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研究成果の概要 |
本研究では低波数ラマン分光法を活用することにより,(i)プローブ型検出器による造粒工程において崩壊剤が原薬結晶に及ぼす影響のin situモニタリング,(ii)顕微測定による口腔内崩壊錠の内部構造および成分分布の可視化,ならびに(iii)透過測定による錠剤中主薬の含量測定に造粒工程のパラメータが及ぼす影響を評価する技術を確立した.その中でも特に(i)プローブ測定によるプロセス分析は,現在の標準的な手法である近赤外分光法に新たな測定オプションを提供するとともに,製剤を構成する成分の結晶状態を即時的に評価するのに有用であることから,研究目的である製剤化工程の精密制御に寄与することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではラマン分光法の多彩な測定モードに着目し,試料の状態を選ばず,非破壊的に測定する技術を確立したこと,すなわち各種の添加剤(崩壊剤)が結晶の転移速度に及ぼす影響を動的な製剤工程内で実証したことから,様々な医薬品の開発ステージにおいて,医薬品の品質向上ならびに製造プロセスの効率化が期待できるため,社会的に大きな意義を有している.また,医薬品の結晶性成分に特異的な低波数領域における散乱ピークが各々の格子振動に基づいており,それらの帰属や法則性についても一部を明らかにできたこと,ならびに医薬品製剤を構成する成分の特定にも有用であることを示せたことから,学術的にも大きな意義を有している.
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