研究課題/領域番号 |
20K07009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
赤澤 陽子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (50549897)
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研究分担者 |
松田 知成 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50273488)
萩原 義久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究部門長 (50357761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 抗体 / 抗原結合能 / 熱安定性 / 抗体-抗原複合体 / 構造安定性 / 構造安定化 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはラクダ科動物アルパカへの抗原免疫と次世代シークエンサー解析を組み合わせたシングルドメイン抗体(VHH抗体)取得技術である「ヒット抗体予測システム」を開発してきた。本解析技術を用いて免疫刺激によるVHH抗体の変異と親和性成熟の経時的変化を追跡した結果、体細胞高頻度突然変異により抗原結合に直接関与する相補性決定領域(CDR)のみならず抗体骨格部分(FR領域・特にFR3)への変異導入が認められた。これらFR領域の変異が親和性成熟や抗体―抗原複合体の安定性に及ぼす影響は不明である。そこで本申請では、免疫刺激による抗体アミノ酸変異と抗体-抗原複合体の構造安定化の関連を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ラクダ科動物由来シングルドメイン(VHH)抗体の効率的な取得を目指して、アルパカへの抗原免疫と次世代シーケンサー解析を組み合わせた「抗体配列進化追跡法」を開発しました。本研究では、アルパカに複数回の抗原を免疫し、VHH抗体配列の経時的なレパトア解析を実施し、本スクリーニング法によって選抜したあるクラスターのVHH抗体群の物性評価(抗原結合能や熱安定性)を解析した結果、免疫刺激による抗体成熟に伴い抗原結合能が上昇する一方で、熱安定性の低下傾向を認めました。この「抗体配列進化追跡法」は抗原に結合するVHH抗体や物性予測に活用でき、VHH抗体の治療・診断用医薬や素材開発につながると期待しております。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗体蛋白質において、免疫過程の体細胞変異によるアミノ酸配列の変化に伴って抗原との結合がどのように変化しているかを物性解析により明らかにすることで、抗体産生における生物の巧妙な戦略を理解でき、さらに抗体医薬開発の基礎的な知見になり得る。
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