研究課題/領域番号 |
20K07011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平田 祐介 東北大学, 薬学研究科, 助教 (10748221)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | トランス脂肪酸 / 細胞老化 / 炎症 / 細胞死 / 循環器系疾患 / 毒性 / DNA損傷 / 細胞外ATP / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
トランス脂肪酸は、多くの疫学研究から、循環器系疾患や生活習慣病等のリスクファクターとされてきたが、詳細な疾患発症機序は未解明である。申請者らは、トランス脂肪酸が上記疾患の主要な危険因子である細胞外ATP、DNA損傷で誘導される細胞死、老化に伴う炎症を顕著に促進する作用を見出し、その作用機構を分子レベルで明らかにしてきた。本研究課題では、上記作用の分子機構をさらに詳細に明らかにすると共に、脂肪酸分子種ごとの毒性リスク評価を行うことで、食品の安全性向上や国民の健康増進に繋がる基礎・応用的知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
トランス脂肪酸によるDNA損傷時の細胞老化および炎症(SASP)促進作用は、その膜脂質への導入に伴う細胞膜環境変化により、IL-1受容体の刺激感受性が上昇することで、その下流のIL-1シグナル、転写因子NF-κBの活性化が亢進することによるものであることが判明した。 また、トランス脂肪酸による細胞外ATP刺激時の細胞死促進作用については、乳製品や牛肉に多く含まれるバクセン酸のような天然型トランス脂肪酸ではなく、工業的な食品製造過程で産生されるエライジン酸などの人工型に特異的な作用であること、その毒性は、EPAやDHAなどの高度不飽和脂肪酸によって軽減できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トランス脂肪酸は、主に疫学研究によって、循環器系疾患をはじめとする諸疾患のリスクファクターとされてきたが、その一方で、毒性発現機構についてはほとんど不明であった。また、特に人工型トランス脂肪酸の疾患発症リスクが示され、欧米諸国で摂取量の規制などが導入されてきたが、その科学的根拠や、天然型の毒性の有無は不明であった。 本研究成果により、細胞老化を伴う炎症促進作用とその詳細な作用機構が明らかとなり、新規毒性発現機構の解明に至った。また、これまで確立した毒性分子基盤を基に、実際に人工型のみが毒性を有していることを示すことができ、過去の疫学的知見を支持する重要な基礎的知見を得ることができた。
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