研究課題/領域番号 |
20K07014
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高杉 展正 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60436590)
|
研究分担者 |
橋本 唯史 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第四部, 部長 (30334337)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | アルツハイマー病 / 小胞輸送障害 / 神経変性疾患 / βCTF / Aβ / 脂質輸送酵素 / リピッドフリッパーゼ / アミロイドβ / 小胞輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患において,特にアルツハイマー病では小胞輸送障害は最初期病態の一つであり,その予防・根本治療法開発の鍵を握る.一方で,小胞輸送の状態について,定量的かつ網羅的な解析を行う手段は限定的であり,詳細な分子メカニズムの解明,小胞輸送障害を標的とした根治療法の開発がこれまで困難であった. 本研究では申請者が樹立したアルツハイマー病における小胞輸送障害機構モデルを発展させ,小胞輸送障害の定量的な解析法,神経細胞への影響の網羅的解析法を確立し,最終的にはアルツハイマー病における小胞輸送障害を改善できる根治治療薬の候補化合物を同定することを目的とする.
|
研究成果の概要 |
近年、初期アルツハイマー病(AD)病態において小胞輸送障害が起こり、様々なAD病態の起因となることが明らかにされている。小胞輸送障害は、APPがβセクレターゼで切断され産生される代謝物、β-secretase cleaved carboxyl terminal fragment (βCTF)がエンドソームで蓄積することが引き金となっている。 本研究では、脂質輸送酵素であり、小胞輸送を制御するリピッドフリッパーゼ(LF)構成因子、TMEM30AとβCTFが結合し、小胞輸送を障害するメカニズムを解明し、LF活性の効率的な測定系や小胞輸送障害解析法を樹立し、治療薬候補T-RAPを同定した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AD発症の最有力な仮説であるアミロイド仮説においても、Aβ産生・凝集・毒性発揮などの多くの病態が含まれるが,現状多くの治療薬候補は単一標的であり、その治療効果も限定的である. 本研究は,アミロイド仮説を補完できる交通渋滞仮説の分子機構解明に迫っており,さらにAD病態に対し特異性・多機能的治療効果を持ち,複雑なAD病態に対応でき、副作用の少ない薬物創出の可能性を提示している.神経細胞はその長い構造上,輸送にコストがかかり,小胞輸送障害は筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病発症においても発症リスクに寄与しており,本技術の開発によりこれらの神経変性疾患にも応用できる技術の開発が期待できる.
|