研究課題/領域番号 |
20K07025
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
増田 有紀 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (40421284)
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研究分担者 |
小西 守周 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00322165)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん免疫 / 樹状細胞 / CD8陽性T細胞 / CD8 T細胞 / がん / IL-12 / 解糖系 / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
Neudesinは、免疫組織を含む様々な臓器で発現する分泌たんぱく質である。予備検討により、抗原提示細胞から産生されたNeudesinが、自己分泌的に抗原提示細胞自身の活性を抑制することで、がん免疫を抑制し、腫瘍の成長を促進していることが示唆された。 そこで、本研究は以下について明らかにすることで、新規がん治療法の開発を目指す。 ①Neudesinによる、抗原提示細胞を介したがん免疫抑制作用メカニズムの解明 ②抗Neudesin抗体の投与による抗がん作用を検討 ③抗Neudesin抗体と、免疫チェックポイント阻害剤または抗がん剤の併用効果を検討
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研究成果の概要 |
本研究は、neudesinの腫瘍免疫抑制メカニズムについて検討した。neudesinはがんの成長を促進すると考えられたが、この作用にはCD8陽性T細胞と、樹状細胞が重要であることがわかった。また、腫瘍組織中では、樹状細胞のneudesin発現が増加しており、免疫抑制環境を誘導すると考えられた。さらに、neudesinは樹状細胞自身に作用し、解糖系の抑制を介して樹状細胞機能を調節することが示唆された。以上より、neudesinは樹状細胞機能の抑制を介してCD8陽性T細胞による腫瘍排除を低下させ、免疫回避を誘導する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹状細胞は、自然免疫と適応免疫をつなぐ司令塔であり、T細胞に抗原提示することにより全体的な免疫機能を活性化することが可能である。がん免疫に関しても、樹状細胞の役割が重要であることは明らかにされているが、現在臨床で用いられている免疫チェックポイント阻害薬は、いずれもT細胞を活性化するものであり、樹状細胞の機能抑制を解除する免疫療法薬は現時点で存在しない。したがって、本研究によってneudesinによる樹状細胞の機能抑制を介した腫瘍成長メカニズムや、その医療応用の可能性について明らかにされれば、全く新しいがん治療法の開発につながる可能性が期待できる。
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