研究課題/領域番号 |
20K07028
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
米田 宏 北海道大学, 薬学研究院, 講師 (60431318)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スプライソソーム / スプライシング / snRNP / CDK9 / 阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
スプライシングを触媒するスプライソソームは巨大なRNA-タンパク質複合体であり、5種のサブユニットが毎回スブライシングを行うたびに集合と解離、再生を繰り返す動的な複合体である。スプライソソーム異常は多くの疾患と関連するが、低分子化合物でスプライソソームに直接作用して大きな効果を示す化合物はわずかしかない。これはスプライソソーム構成因子の機能が冗長化してスプライシング反応の頑健さを担保するためと予想される。そこで、スプライソソームの制御にはそのサブユニットの生合成を標的とすることが有用と考え、そのような意図で取得した化合物の特性を調べ、疾患治療に応用可能な作用標的の発見を目指している。
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研究成果の概要 |
スプライシング異常の原因には、イントロン側のシス変異とスプライソソーム構成因子のトランス変異、2つのタイプがあり、本研究では、トランス変異により異常を来したスプライソソームを標的とするスプライシング制御法の開発を目指した。戦略として、直接的にスプライソソームを狙うのではなく、化合物により細胞内環境を摂動させ、トランス変異によって脆弱化したスプライソソームを含む細胞を制御する戦略を考えた。そのような化合物の候補として、これまでに取得したスプライソソームのサブユニットsnRNP量を変動させうる化合物を詳細に解析し、snRNP生合成に影響する細胞内経路を明らかにしつつある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疾患原因となる遺伝子発現機構の異常が多数報告されているが、重要なメカニズムであるほど、それらの直接的な低分子化合物による制御には弊害も大きい。我々は、変異によりスプライシング機構に異常を来した細胞が脆弱となる化合物処理を探索し、より温和な条件で疾患原因となる異常細胞を排除する手法の開発を目指している。この目的のためにいくつかのユニークな活性を示す化合物の作用機序の検討を行い、これまでに知られていないタイプの作用も明らかになりつつある。これは低分子化合物の新規な利用方法にもつながるもので、スプライシング異常にとどまらないインパクトをもたらすことが期待される。
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