研究課題/領域番号 |
20K07029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小川 英知 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 招へい教授 (20370132)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 遺伝子導入 / 核酸医薬 / ウイルスベクター / オートファジー / アデノウィルス / 核酸導入 / ウイルス感染 / 化合物スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は細胞外からの様々な分子の侵入を即座に検知し,排除するために選択的オートファジー機構を使用する。この機構は,外来異物だけでなく核酸の導入に対しても働くため,核酸導入が必要な場面で大きな障害となる。本研究では外来核酸のオートファジーによる分解に重要な役割を持つオートファジーレセプターp62に着目し,p62の機能を阻害し核酸導入効率を上昇させる低分子化合物のスクリーニングを行う。同定された化合物のp62に対する作用点を明らかにし,p62による核酸排除機構の解明を行うと共に,その効果をゲノム編集技術やマウス生体内への遺伝子導入において検討し,新規遺伝子導入促進試薬としての応用を検討する。
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研究成果の概要 |
外来の異物を分解する選択的オートファジーp62は、細胞内に侵入した核酸を速やかに分解し核酸の導入を著しく阻害する。化合物スクリーニングの結果、この活性制御を行うTBK1の阻害剤で遺伝子導入効率が強く促進されること明らかにした。さらに核酸のみならずアデノウイルスの感染効率もこれらの薬剤で上昇させることが明らかとなった。p62複合体の解析からアデノウイルスたんぱく質が実際に結合し機能阻害することが判明した。本研究成果は核酸導入のみならずウイルスベクターを用いた様々な医療に貢献できると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、遺伝子導入やウイルス感染などの分野で大きな社会的な意義を持っている。 遺伝子導入においては、p62が細胞内で核酸の分解を促進することに着目し、p62の機能抑制による遺伝子導入効率の促進は、新たな遺伝子治療法の開発につながることが予測される。また世界中で問題となったCOVID-19パンデミックにおいて、ワクチンの開発は極めて重要な課題であり、そのなかで本研究は、アデノウイルス感染制御剤を可能とすることで危険性の少ないアデノウイルスベクターを用いたワクチンの基盤技術を提供することが期待される。
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