研究課題/領域番号 |
20K07036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
宮沢 正樹 東海大学, 健康学部, 講師 (10554818)
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研究分担者 |
平林 健一 東海大学, 医学部, 准教授 (60514388)
服部 鮎奈 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (60820420)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | がん / 鉄代謝 / 抗がん剤 / シスプラチン / IRP2 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は細胞内鉄代謝制御系を標的とした副作用の少ない新規抗がん剤の開発を最終的な目標として実施する。この副作用の少ない抗がん剤の開発は、より良い医療の実現のために必須の課題となっている。申請者は近年、抗がん剤であるシスプラチンによるがんの細胞死が、DNAへの結合による複製阻害とは独立して、細胞内の鉄の欠乏によっても誘導されること明らかした。そこで本課題では、これらの結果をもとに研究をさらに発展させ、鉄欠乏によるがん細胞死の分子メカニズムの解明を行い、細胞内鉄代謝制御系を標的とした副作用の少ない実用可能ながん治療法の確立および新規抗がん剤の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
鉄は酸素の運搬をはじめ、細胞分裂やDNAの複製など生体・細胞の恒常性維持に必要不可欠なミネラルでありエネルギーの産生などに関わるタンパク質群の重要な機能性分子である。申請者はこれまでに抗がん剤であるシスプラチンがDNAへの結合による複製阻害とは独立して、細胞内の鉄の欠乏によってもがんの細胞死を誘導することを明らかした。本課題はそれらの研究をさらに発展させ、鉄の欠乏によるがん細胞死の分子メカニズムの解明を行い、鉄代謝制御系を標的とした抗がん剤の開発を目指すものである。2020年度は当初の計画通りヒト腫瘍組織における鉄代謝制御因子の免疫組織染色を行った。その結果、鉄のマスターレギュレーターであるIRPタンパク質が膵がんの一部の症例で高いことを明らかにした。現在、鉄濃度の測定やがんのグレード、予後との関連を解析している。また、各種がん細胞における鉄制御因子のノックダウン解析を進めており、それによる遺伝子発現パターンの変化をRNA-seq法により詳細に明らかにするための準備を行なっている。 アメリカ国立衛生研究所などが実施した大規模なコホート調査によると、食事による鉄分の摂取量と様々ながんの発生率が正の相関を示している。そのため申請者は、この発がんのリスクファクターとなる過剰な鉄を遺伝子レベルで下方制御し、がん治療へ応用することを目標に2021年度も予定されている研究を遂行し実用可能ながんの治療法の確立を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染症の影響により半年ほど研究が遅延したが、その後は予定されている研究計画に沿って概ね順調に結果を取得することができている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は腫瘍組織における鉄代謝制御因子の免疫組織染色を行い、データ数を増やす予定である。また、株化細胞を用いた培養細胞系では明らかにできない「鉄と関連するヒト腫瘍組織の種類や悪性度、鉄制御タンパク質、鉄沈着度との相関関係」を統計学的に解析し、鉄の蓄積が治療や予後予測の因子となりえるか検討する。さらに申請者は、細胞内の鉄の欠乏によってがん細胞死が誘導されることをすでに証明している。しかしながら、その細胞死がどのような分子メカニズムで誘導されているかは未解明のままである。そこで本課題では、鉄制御因子の阻害により変化する遺伝子群をRNA-seq法により網羅的に解析し、その全容解明を行う。
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