研究課題/領域番号 |
20K07037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
定家 真人 東京理科大学, 理工学部応用生物科学科, 准教授 (70415173)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | austocystin D / シトクロムP450 / 細胞毒性 / プロドラッグ / 骨肉腫 / がん / 天然化合物 / クロマチン / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
カビ由来の天然化合物AusDは,正常細胞への毒性は低く一部のがん細胞に選択的な毒性を示すため,個別化医療に利用できる新規抗がん薬の種となる可能性があるが,AusDに高感受性を示すがんに共通する性質はわかっていない。本研究ではがん細胞のAusD高感受性を決定づける遺伝的背景や遺伝子発現の特徴を見出し,AusDによる細胞増殖抑制の分子機序を明らかにすることを目的とする。本計画ではAusD高感受性の決定に関わる遺伝子を同定し,AusDの細胞増殖抑制の分子機序を調べる。本研究の成果により新しい治療対象を有する抗がん薬としてAusDを提案できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
Austocystin D(AD)は、一部のがん細胞株において、シトクロムP450(CYP)依存的にDNA損傷と増殖抑制を引き起こす天然化合物である。この化合物に高い感受性を持つ細胞はCYP2J2の発現量が多い傾向にある。本研究では、CYP2J2発現の抑制と亢進が、それぞれADの感受性およびDNA損傷誘導を軽減、増強させることを示した。酵素活性を欠いたCYP2J2の過剰発現は、ADへの感受性を増強させなかった。ADの細胞毒性に関与する遺伝子のスクリーニングでは、CYPの活性化に関与する遺伝子が同定された。これらの結果は、CYP2J2とその酵素活性がADの細胞毒性に必要であることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた結果は、CYP2J2とその酵素活性がaustocystin Dの細胞毒性に必要であることを示している。先行研究で得られた知見と総合すると、CYP2J2によるaustocystin Dの代謝がこの細胞毒性をもたらすと考えられる。Austocystin Dは、がん治療のためのプロドラッグとして利用できる可能性があり、CYP2J2発現レベルの高さは、この化合物が効果を発揮できる細胞のバイオマーカーとして使用される可能性がある。
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