研究課題/領域番号 |
20K07040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
田中 智之 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40303846)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マスト細胞 / GPR35 / クロモグリク酸ナトリウム / 即時型アレルギー / 脱顆粒 / アレルギー |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、副作用の小さい抗アレルギー薬であるクロモグリク酸ナトリウムの標的がGPR35という分子であることを見出した。GPR35をコードする遺伝子の変異は、炎症性腸疾患やⅡ型糖尿病といった疾患に強く関連することが見出されているが、GPR35の機能やその制御についてはほとんど知見がない。そこで本研究では、GPR35の活性化が細胞レベルでどのような変化をもたらし、またそれが生体レベルにおいて炎症応答の抑制にどのように関わるかを明らかにすることを目的としている。
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研究成果の概要 |
抗アレルギー薬のひとつであるクロモグリク酸ナトリウムは伝承薬由来であり、その作用機序は不明であった。本研究では、花粉症やアレルギー性喘息において重要な役割を果たすマスト細胞の表面に存在するGPR35という膜タンパク質が、その標的であることを齧歯類において見出した。GPR35を活性化する化合物は、マスト細胞のIgEを介する脱顆粒応答の抑制を介してアレルギー反応を抑制すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クロモグリク酸ナトリウムは副作用の頻度の低い抗アレルギー薬として知られるが、一方で消化管吸収が悪いために投与経路が限定されている。本研究を通じて標的分子が明らかになったことにより、消化管吸収が改善された代替薬を開発することができる。また、GPR35はゲノムワイド相関解析により、炎症性腸疾患、Ⅱ型糖尿病といった慢性炎症性疾患と相関が強いことが報告されており、こうした疾患の新たな治療薬開発の基礎的知見を提供するものでもある。
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