研究課題/領域番号 |
20K07049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
堺 弘道 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (00375255)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 2型糖尿病 / ジアシルグリセロールキナーゼ / 骨格筋 / 筋形成 / ミリスチン酸 / 褐色脂肪組織 / 骨格筋形成 / β-tubulin / 筋再生 / 脂質代謝経路 |
研究開始時の研究の概要 |
2型糖尿病の改善のためには,食生活の乱れや運動不足により低下した骨格筋の機能(インスリン感受性・グルコース取り込み能)と量の回復が重要である.骨格筋に高発現するジアシルグリセロールキナーゼδ(DGKδ)はインスリン感受性・グルコース取り込み能の維持・亢進に決定的な役割を担っているが,さらに,本研究により,①細胞レベルでDGKδによる筋分化制御機構の詳細を解明し,②個体レベルでDGKδの発現変動による筋形成への影響を明らかにすることで,骨格筋の機能改善と量増加の両方を目指した二重に効果的な,DGKδを分子標的とした新規2型糖尿病治療法の開発へと展開するための基礎的知見を提供する.
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研究成果の概要 |
ジアシルグリセロールキナーゼδ(DGKδ)は細胞レベルで筋分化誘導を正に制御するが,筋形成の詳細な機構や個体レベルでのDGKδの骨格筋形成への寄与は分かっていない.本研究においては,筋細胞のDGKδの発現を増加させ,グルコースの取り込みを増加させるミリスチン酸はDGKδ発現依存的に筋形成に重要な役割を担うβ-tubulinの発現を増加させることを示した.さらに,生体レベルでの解析のために作製した骨格筋特異的DGKδ欠損マウスにおいて,1割程度の体重の減少と骨格筋の減少を観察した.さらに,褐色脂肪組織量の減少も観察した.今後,骨格筋及び褐色脂肪組織におけるDGKδの役割を解明していく予定である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2型糖尿病(インスリン抵抗性)の改善のためには,食生活の乱れや運動不足により低下した骨格筋の機能(グルコース取り込み能)と量の回復が重要である.DGKδは骨格筋のグルコース取り込みに重要であり,一方で,DGKδが細胞レベルで筋分化誘導を正に制御する知見を得たが,筋形成における詳細な機構はわかっていなかった.今回,筋細胞のDGKδの発現を増加させるミリスチン酸がDGKδ発現依存的に筋形成に重要な役割を担うβ-tubulinの発現を増加させることを示した.この知見は,DGKδの発現増加は2型糖尿病患者で低下するグルコースの取り込み能と筋量の両方を改善する可能性を示している.
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