研究課題/領域番号 |
20K07051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
河野 孝夫 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 准教授 (70581742)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 樹状突起 / 大脳皮質 / リーリン / ニューロピリン1 / モータータンパク質 / タンパク質 / 脳 / 神経細胞 / 海馬 / 近接依存性ビオチン標識法 / Neuropilin-1 / VLDLR |
研究開始時の研究の概要 |
リーリンは脳の形成に必須なタンパク質であり、その機能低下は様々な精神疾患の発症に寄与する。しかし、リーリンの機能には不明な点が多く、「リーリンが、いつ、どこで、どの細胞に作用し、何をするのか」という課題は解決されていない。本研究では、申請者がこれまでに見出した新規リーリン結合分子に着目し、時空間的なリーリンの作用機序、およびその意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
リーリンは、神経細胞の配置や形態を制御する分泌タンパク質であり、大脳皮質形成において必須の役割を持つ。近年、リーリンの機能低下が、精神神経疾患発症の一因となることがわかってきた。しかしリーリンが、いつどこで具体的に何を制御するのかは未解明である。本研究では、時空間的なリーリンの作用機序、およびその意義の解明を試み、新規リーリン受容体Nrp1が大脳皮質浅層神経細胞の樹状突起発達を制御すること、cofilinを介したリーリンシグナルが、海馬の遅生まれ神経細胞の配置を制御すること、生後脳へのリーリンの局所投与は、リーリン欠損により引き起こされる運動異常を一部回復することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大脳皮質の正常な形成は脳機能に必須であり、その破綻は精神神経疾患の発症にかかわると考えられている。しかし、大脳皮質形成のメカニズムの詳細は未解明である。本研究では、特定の神経細胞の突起形成や配置を制御する、リーリンの新規作用を明らかにした。また、リーリンタンパク質の脳への局所投与が、脳機能異常の一部を回復することもわかった。これらは、脳が正常に形作られるメカニズム、ひいては脳構造異常を伴う病態の理解やその新規治療法に貢献するものと考える。
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