研究課題/領域番号 |
20K07058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
高崎 輝恒 近畿大学, 薬学部, 講師 (30615539)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | シヌクレイン / synuclein / パーキンソン病 / S. pombe / Synuclein / a-synuclein |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病は脳内のαシヌクレインタンパク質(αSyn)が不溶性の凝集体構造を形成することにより発症する。しかし、本来可溶性タンパク質であるはずのαSynがなぜ凝集を始めるのか、そのメカニズムは依然として不明である。興味深いことに、αSynは哺乳類以外の細胞内では容易に凝集体を形成するにもかかわらず、哺乳類細胞においては、凝集核となる線維化したαSynを導入しなければ、αSynを過剰発現させても凝集化しない。本研究では、哺乳類細胞にはαSynの凝集化を妨げる機構が備わっているとの仮説を立て、αSyn凝集化抑制因子の同定・機能解析を通じてパーキンソン病発症メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
分裂酵母を遺伝子改変して作成した「パーキンソン病モデル細胞」を用いた解析により、抗てんかん薬として知られるバルプロ酸がパーキンソン病モデル細胞の細胞障害を顕著に増悪させることを見出した。ヒト神経細胞由来のcDNAライブラリからαSyn凝集抑制因子を探索する試みについては良好な結果が得られなかったが、抗真菌作用をもつ化合物のひとつがαSynの凝集化の抑制にはたらくことを見出した。さらに、遺伝学的解析を通じて、エンドサイトーシスのプロセスがαSynの凝集化に深く関与することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化が進む日本社会において、パーキンソン病をはじめとする神経変性疾患の予防法・治療法の確立が喫緊の課題となっている。本研究では、抗てんかん薬として使用されるバルプロ酸がパーキンソン病の進行を早める可能性があることや、パーキンソン病の発症原因とされるαSynの凝集化過程にエンドサイトーシス機構が関与すること、抗真菌作用をもつ化合物のひとつがαSynの凝集化の抑制にはたらくことなどを見出した。これらの研究成果により、発症メカニズムの理解、および予防法・治療法の開発がさらに進むと期待される。
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