研究課題/領域番号 |
20K07060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
中山 喜明 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (40512455)
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研究分担者 |
小西 守周 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00322165)
野中 元裕 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70514173)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 赤血球代謝 / マクロファージ / サイトカイン / 貪食受容体 / Neudesin / 一酸化窒素 / 炎症 / JAK/STAT1 / 赤血球 / Jak/Stat / 貪食 / ヘムタンパク質 / 赤血球貪食 |
研究開始時の研究の概要 |
過去の知見から、多血や貧血などの際に異常を感知し、赤血球貪食を調節する制御機構の存在が示唆されているが、その詳細は分かっていない。申請者は、分泌型ヘムタンパク質が、赤血球の異常を感知するセンサー分子として働き、マクロファージによる赤血球貪食を抑制している可能性を見出した。そこで本研究では、遺伝子欠損マウスや培養細胞、ファージディスプレイ法を用いた解析を通じて、マクロファージの貪食抑制機構を解明することを目的とする。本研究により、新たな赤血球関連疾患に対する治療法開発や、腫瘍などを標的とした免疫チェックポイント阻害薬の開発に繋がる基盤的情報を提供できるものと期待できる。
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研究成果の概要 |
これまで主に神経系での機能解析がされてきて、免疫細胞に対する作用が不明であった分泌因子neudesinについて研究を進めた。そのなかで、脾臓において老化赤血球を認識し体内循環から貪食除去する赤脾髄マクロファージの機能をneudesinが調節しており、循環赤血球の新陳代謝を制御していることを明らかにした。neudesinは、マクロファージに直接作用することで老化赤血球の貪食に関わるFcγ受容体の細胞表面発現を抑制し、老化赤血球の代謝を抑制する、新たな貪食抑制性サイトカインとして機能することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
赤血球は酸素を身体中に運ぶ重要な役割を果たしているが、正常に老化赤血球が体内循環から取り除かれないまま老化赤血球の蓄積が起こると、毛細血管の閉塞や体中への酸素供給不全につながることが知られており、血液の正常な機能に悪影響を及ぼすことがある。本研究により分泌因子neudesinが赤血球の代謝を制御することが明らかにしたことから、neudesinシグナルを制御することにより、赤血球の代謝促進や、貧血あるいは造血障害などの赤血球関連疾患において新たな治療法の開発につながることが期待される。
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