研究課題/領域番号 |
20K07073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
吉栖 正典 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60294667)
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研究分担者 |
京谷 陽司 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10706534)
趙 晶 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60804466)
中平 毅一 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80844414)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 動脈解離 / 血管平滑筋細胞 / 細胞死 / 伸展負荷 / 分子機構 / Nr4a / MAPキナーゼ / 血管平滑筋細胞死 / 進展負荷 |
研究開始時の研究の概要 |
大動脈解離の発症の詳細な分子機構は未だ不明である。我々は、「大動脈壁の中膜を構成する血管平滑筋細胞に対する急激な伸展負荷が細胞死を招いて大動脈解離が発症するのではないか?」という新しい仮説を立て、予備的実験を行った。その結果、培養血管平滑筋細胞に伸展負荷をかけると細胞死が観察された。この細胞死に関わる鍵分子を探索するため cDNAマイクロアレイ解析を行い、免疫応答に関わる転写因子 Nr4a の遺伝子発現が伸展負荷により上昇することを初めて発見した。本研究では急激な伸展負荷による血管平滑筋細胞死に関わる Nr4a の役割を解明し、降圧に依存しない全く新しい大動脈解離の発症予防薬を開発する。
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研究成果の概要 |
大動脈解離の発症に血圧急上昇が関与している可能性がある。我々は「大動脈壁の中膜を構成する血管平滑筋細胞に対する急激な伸展負荷が、細胞死を招いて動脈解離を引き起こすのではないか?」という仮説をたてて研究した。培養ラット血管平滑筋細胞に急激な伸展負荷をかけ、細胞内の遺伝子発現をcDNAマイクロアレイで解析した。その結果、免疫に関わる転写因子Nr4aの発現上昇がみられた。動脈解離モデルマウスの大動脈でNr4aの発現が増加し、Nra4aを阻害すると血管平滑筋細胞死が増加したことから、Nr4aは動脈解離発症に防御的に働いている可能性がある。Nr4aは動脈解離発症予防薬開発の標的になりうる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢社会の今日、動脈硬化性疾患の増加は著しく、その対策は急務である。なかでも急性大動脈解離の致死率は高く、多くは緊急手術以外に救命する手段はない。それ故、大動脈解離の発症予防薬の開発は社会的意義が大きい。我々は、「大動脈壁の中膜を構成する血管平滑筋細胞に対する急激な伸展負荷が細胞死を招いて大動脈解離が発症するのではないか?」という仮説を立てて実験し、それを実証した。さらにcDNAマイクロアレイ解析により、伸展負荷で免疫応答に関わる転写因子 Nr4a の遺伝子発現が上昇することを初めて発見した。 Nr4a を標的にすれば、降圧に依存しない全く新しい大動脈解離の発症予防薬の開発に道を開く。
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