研究課題/領域番号 |
20K07076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
平松 正行 名城大学, 薬学部, 教授 (10189863)
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研究分担者 |
衣斐 大祐 名城大学, 薬学部, 准教授 (40757514)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ベタイン / GABAトランスポーター2(GAT2) / アルツハイマー型認知症 / 神経保護作用 / トリメチルグリシン / GABAトランスポーター2 / GAT2 / アミロイドβタンパク質 / Neuro2A細胞 / ベタイン(グリシンベタイン) / ベタイン/GABAトランスポーター / グリシン / GAT2 (BGT-1) / ADモデルマウス / グリシンベタイン / ホモシステイン |
研究開始時の研究の概要 |
過剰量のホモシステイン(Hcy)は、神経毒性を示すが、グリシンベタイン(ベタイン)を介する反応によってメチオニンへと変換されることで毒性を失う。最近、認知症患者の血中Hcy量の上昇と認知機能低下には相関関係があることがわかった。我々はこれまでに、アルツハイマー型認知症(AD)モデル動物で認められる認知機能障害および海馬におけるGABAトランスポーター2(GAT2)の発現増加が、ベタイン処置によって抑制されることを明らかとしている。ベタインによる認知機能障害の予防メカニズムが解明されれば、今後の認知症予防に大きく貢献できると期待される。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー型認知症(AD)では、脳内の神経細胞が長期間かけて変性し、認知機能が障害される。最大のリスクファクターは加齢と言われているが、加齢の原因である酸化ストレス、神経炎症の予防が重要と考えられる。我々はADモデル動物で認められる認知機能障害および海馬におけるGABAトランスポーター2(GAT2)の発現増加がベタインにより抑制されることを明らかとした。GAT2は、酸化ストレスなどを抑制するために発現が増加し、ベタインは、このトランスポーターを介して、認知機能障害の発症を抑制している可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルツハイマー型認知症(AD)患者の脳内では、アミロイドβタンパク質(Aβ)の蓄積やタウタンパク質の異常なリン酸化が起こり、長期間かけて脳内の神経細胞が変性し、認知機能が障害される。超高齢社会において、AD患者が増加し、その予防薬や治療薬の開発は喫緊の課題である。今回、天然成分であり、ホモシスチン尿症の治療薬としても使われているベタインに、AD患者の認知機能障害の予防効果がある可能性が示されたこと、また、その作用機序の一端が明らかになったことは、高齢者のQOLの向上に繋がり、またAβの蓄積を抑制する抗体薬品とは異なり、安価で予防効果が出る可能性もあり、医療経済的にも大きなインパクトがある。
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