研究課題/領域番号 |
20K07087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 金城学院大学 (2021-2022) 京都府立医科大学 (2020) |
研究代表者 |
衣斐 督和 金城学院大学, 薬学部, 准教授 (10336539)
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研究分担者 |
浅岡 希美 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90826091)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 活性酸素種 / 精神疾患 / NADPHオキシダーゼ / 発達障害 / NOX1 / 自閉症様行動 / 母体免疫活性化 / 小脳 / プルキンエ細胞 / 神経発達障害 |
研究開始時の研究の概要 |
高次脳機能障害である精神疾患の可及的速やかな病態解明と新たな治療法の確立が課題となっている。近年、諸種の精神疾患の発症・進展に活性酸素種(ROS)の関与が示されており、触媒サブユニット NOX1 で構成される ROS 産生酵素、NADPH オキシダーゼが種々の精神疾患に共通したROS産生分子ではないかと想定した。これを検証するため、Nox1 遺伝子欠損動物を用い、神経発達障害により引き起こされる精神疾患様行動への NOX1 の関与とその機序を解析する。本研究を通じて、精神疾患の病態に関わる共通の ROS 産生源=NOX1」という概念と、これら精神疾患の新規治療薬の開発基盤の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
発達期の環境要因により引き起こされる精神疾患の発症機序を解明するために、本研究を立案した。本研究では、Nox1遺伝子欠損マウス(Nox1-KO)を用い、自閉症様行動の発現に大脳皮質または小脳で発現増加するNox1が関与することを見出した。昨年度は、母体免疫活性化を引き起こすpolyI:Cの投与を受けた仔獸の大脳皮質の形態変化を解析した。本解析には、ゴルジ染色で可視化した樹状突起のスパイン数を計数することにより行った。その結果。polyI:C投与による大脳皮質の錐体細胞のスパイン数には変化は見られなかった。次に小脳において、自閉症様行動との関連が認められている遺伝子の変動を野生型マウスとNox1-KOマウスで比較した。しかし両遺伝子群で顕著な差異は認められなかった。 本研究で小脳プルキンエ細胞の脱落はNox1-KOで抑制されることが明らかとなった。そこで小脳プルキンエ細胞特異的に Nox1 遺伝子発現抑制させたマウスの自閉症様行動変化を追認することにした。昨年度は、効率的に Nox1 発現を抑制する shRNA 配列を決定し、この shRNA を搭載したアデノ随伴ウィルスベクターの構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一昨年の動物施設SPFゾーンでの漏水とそれに伴うSPFゾーンのクリーニングのため、Nox1遺伝子欠損マウスの導入時期が大幅に遅れた。微生物検査終了後、昨年度に動物業者に胚からNox1遺伝子欠損マウスの作成を受託し、年末に導入された。現在繁殖により実験に用いるマウスを得ている状況のため、1年間の研究延長を申請して研究を遂行する。
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今後の研究の推進方策 |
本申請研究で明らかになった発達期の環境変化により引き起こされる自閉症様行動にNOX1が関わることが明らかになった。本研究では発達期の環境変化による精神疾患として、統合失調症および自閉症に着目したが、延長した研究期間で研究を効率的に遂行するため、実験系を確立している自閉症様行動に焦点を当てて解析する。具体的には発達期の環境変化として母体への高脂肪食の給餌または抗うつ薬や抗てんかん薬の投与による仔獣の行動変化にNOX1が関わるか NOX1遺伝子欠損マウスを用いて解析する。
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