研究課題/領域番号 |
20K07088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
雑賀 史浩 和歌山県立医科大学, 薬学部, 客員研究員 (10644099)
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研究分担者 |
松崎 伸介 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (60403193)
木口 倫一 和歌山県立医科大学, 薬学部, 准教授 (90433341)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 乾癬 / かゆみ / 脊髄 / ガストリン放出ペプチド / DREADD / ミクログリア / 痒み / イミキモド / ガストリン放出ペプチド(GRP) / Gi-DREADD / CNO / ガストリン放出ペプチド受容体 / サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、乾癬の病的な痒みに着目し、その脊髄内発現機構の解明を目指す。 まず、乾癬慢性掻痒モデルマウスにおける脊髄内ガストリン放出ペプチド-受容体システムの役割を評価する。 次に、そのマウスにおける脊髄グリア細胞の活性化やガストリン放出ペプチド-受容体システムを調節する炎症性メディエーターの役割について種々の遺伝子改変マウスを用いて明らかにするとともに、新規痒み調節因子の同定を含めた慢性掻痒の新規治療戦略を提示する。
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研究成果の概要 |
本研究では、イミキモド誘発乾癬掻痒モデルマウスを作製し、慢性掻痒における脊髄内痒み伝達機構におけるガストリン放出ペプチド(Gastrin-releasing peptide: GRP)- GRP受容体(GRPR)システムの役割に着目した。化学遺伝学的手法(DREADD)やターゲットトキシンによりGRP-GRPRシステムを制御すると、乾癬モデルマウスにおける痒みが抑制された。このように、乾癬による慢性的な痒みにおいてもGRP-GRPRシステムが重要な役割を果たすことから、慢性掻痒治療において有望な治療戦略になりうる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性掻痒症では、患者のQOLは著しく損なわれ、就業、学業面などに大きな影響を与える。持続する痒みはさらに不眠や抑うつなどの心理的ストレスを惹起し、高血圧などの生活習慣病のリスクを上昇させるなどのことから、早期の対処が必須である。しかし、従来の治療薬が奏効しないため、現在、新しい着眼点に基づく新規抗掻痒薬の開発が求められている。本研究では、乾癬モデルマウスの慢性的な痒みの病態分子基盤における脊髄GRP-GRPRシステムの役割を明らかにした。この結果は、慢性掻痒症に対する新たな治療法の可能性を示唆するものであり、社会的意義は高いと考えられる。
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