研究課題/領域番号 |
20K07095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 徳島大学 (2021-2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020) |
研究代表者 |
田原 強 徳島大学, 先端研究推進センター, 准教授 (20419708)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 再生医療 / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
癌化した際に働く遺伝子プロモーター制御化でHSV-TKが発現するベクターを構築後、安定型導入ES細胞を樹立し、分化、移植を行う。HSV-TKは、移植細胞が分化細胞として機能している間は発現しないが、癌化した場合、プロモーターが活性化され、発現する。この細胞は抗ウイルス薬で死を誘発することが可能である。さらにHSV-TKに対するPET用プローブがあるため生体内での観察が可能である。以上のことから、本研究の進行により、移植細胞の癌化の状態を非侵襲的に経過観察でき、さらに抗ウイルス薬を用いて癌化細胞を死滅させることで、安全かつ高精細な移植治療に繋がる研究である。
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研究実績の概要 |
昨年度、未分化特異的遺伝子であるNanog遺伝子に着目し、その上流領域をクローニングすることにより、より確実にがん特異的(未分化)に機能するHSV-TKタンパク質発現ベクターの構築を目指した。現在、およそ1000bp程度のNanog遺伝子プロモーター領域のクローニングに成功し、クローニングしたNanog遺伝子プロモーター領域に未分化細胞特異的に機能する領域が含まれているかを確認するため、ルシフェラーゼアッセイの準備を進めていた。プラスミド構築後、培養細胞を用いて、がん細胞において、特異的に機能するかどうかを検討したところ、ルシフェラーゼ活性が観察されたことから、Nanog遺伝子プロモーターが機能することが確認できた。そのため、次に本来の目的であるHSV-sr39tk遺伝子をNanog遺伝子プロモーター領域下につなぎ、がん細胞もしくは未分化細胞特異的にHSV-sr39tkタンパク質が発現するベクターの構築を行い、成功した。実際にがん細胞においてHSV-sr39tkタンパク質が発現しているかどうか調べたところ、予想通りタンパク質が細胞内において発現していることが確かめられた。 Oct3/4遺伝子プロモーターに続き、Nanog遺伝子プロモーターのクローニングおよび機能の確認が行えたことから、どちらがより特異的にがん細胞もしくは未分化細胞において機能するプロモーターであるかの解析を現在行っている。より特異的なプロモーターを最終的に使用したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
徳島大学への所属移動およびコロナ感染症対策により、また、未分化細胞特異的なプロモーター領域のクローニングに予定以上に時間を要してしまったため、当初計画より進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の目的である未分化細胞特異的なプロモーター領域のクローニングが実質完了したため、今後は、細胞実験を主とし、未分化細胞特異的プロモーターにより発現するHSV-TK遺伝子を導入した細胞を樹立し、腫瘍形成を制御できるかどうかを調べていく。また、動物への移植を行い、動物レベルでの検討も予定している。
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